マツコ・デラックス、村上信五がMCの「月曜から夜ふかし」で発覚した、中国人女性インタビュー捏造問題。日本テレビの福田博之社長は3月31日の定例会見で「演出の範囲を超えており、あってはならないこと」と頭を下げた。問題の核心には「フリーランスの過酷な生存競争」があったという。放送作家が明かす。
「この問題の本質は、フリーディレクターが置かれた厳しい状況です。会社に属していないフリーランスは自分で仕事を取ってこないと、即座に収入がゼロになる。自分の腕だけで仕事を獲得しなければならないプレッシャーが、今回の暴走を招いたのです」
それは3月24日放送の街頭インタビュー。中国出身の女性が、自宅マンションのバルコニーにカラスが飛んでくるということで、飛来してきた際にたまたま撮った写真を紹介。その上で、
「あんまり中国にカラス飛んでるのがいないですね。みんな食べてるから少ない。とにかく煮込んで食べて終わり」
などと発言したように編集されていた。
もちろん実際の取材では「中国人がカラスを食べる」という発言は一切なく、別の話を意図的に切り貼りして作り上げられた、完全なる「でっち上げ」だった。
問題の編集を行ったのは、およそ1年半にわたり番組に関わっている、フリーの男性ディレクター。本人は「撮ったものをより面白くしたい」という自己判断で編集したという。前出の放送作家が、ディレクターの暴走を解説する。
「フリーディレクターにとって、担当企画の視聴率や反響は死活問題。『数字を取れなければ次の仕事はない』というプレッシャーは計り知れません。制作会社などに身を置いたり派遣されてきているディレクターならば失敗しても給料は出ますが、フリーは違う。おそらく番組にすでにいるプロデューサーやディレクターと個人的なつながりがあって、スタッフとして呼ばれたのでしょうが、こうした悪い噂はすぐに広まる。このディレクターに、仕事はもう来ないかもしれません」
もちろん、だからといって許される行為ではないが、今後もこうした問題は起きると、この放送作家は予測する。
「テレビ業界では経費削減のため、フリーランススタッフへの依存度が年々高まっています。彼らは視聴率を取るためにリスクを冒しがちで、チェック体制が緩いと今回のような問題が起きるのです」
テレビ業界の悲哀あふれる現場なのであった。
(石原康人)