本当にVへの使者になれるのか。2シーズンぶりにDeNAに復帰したトレバー・バウアーをめぐって、きな臭い話が持ち上がっているのだ。
今季初登板となった3月29日の中日戦(横浜)は6回を投げて6安打8奪三振、1失点と好投した。打線の援護なく敗戦投手となったものの、健在ぶりをアピールした。試合後には「しっかりとしたピッチングはできた」と振り返り、予定されていた4月4日からの広島3連戦(マツダ)での登板に向けて、期待が高まっていた。
ところが3月31日に突然、上半身のコンディション不良を理由に出場選手要録を抹消され、リハビリ組へと合流することに。
バウアーは2023年シーズン、5月に1軍に合流して19試合に登板。10勝4敗、防御率2.76の好成績を残した。今季は2月27日に来日。3月5日には1軍に合流したことで、開幕からフル回転が予想されていた。サイ・ヤング賞投手は「今度は日本で沢村賞を狙う」と意欲を示していたが、わずか1試合での離脱を余儀なくされたことになる。
かつては中3日の登板も辞さないタフネス投手として知られていただけに、早期離脱で三浦大輔監督以下、首脳陣は計算が狂ったことになる。
だが、シーズンはスタートしたばかり。現段階では無理は禁物とはいえ、スポーツ紙の遊軍記者は次のように話すのだ。
「確かに登板日は天候のせいで試合開始が遅れ、気温は10度以下。コンディションは悪かった。どこか体に変調をきたしても不思議ではないですが、なにかと問題のあるバウアーですからね。鵜呑みにできない部分はありますよ」
というのも「バウアーの根底には、メジャー復帰があるからです」と、この遊軍記者は続けて言うのだ。
「ここ何年間の状況を見る限り、いくら実力があっても問題児扱いのバウアーに手を出すチームはなかなかなかった。ところが本人は、1億円に満たないメジャー最低年俸でもいいと話すなど、メジャー復帰を諦めていない。いや、それ以上に、メジャーを取り巻く状況が変わったと思っているんです。例えばエースのゲリット・コールがトミー・ジョン手術を受けたヤンキースなどのように、先発投手不足のチームが出てきている。契約してくれるメジャー球団があるならば、強引にでもDeNAとの契約を破棄し、アメリカに戻ると言い出しても不思議ではありません。そう考えれば、ここで無理をする必要がありません」
昨年の日本一に輝き、今季はリーグ優勝に本腰を入れているDeNAは、バウアーがせめて1年フル稼働してくれることを祈るばかりだろう。
(阿部勝彦)