「奇跡の50歳」とたたえられる永作博美。アイドルグループ「ribbon」の解散から26年、演技派女優として華麗に転身を遂げた。2児の母として活躍するさまは、働く女性層から支持を得る一方、和服を装えば「おやじキラー」と言われる艶やかさを誇る。そんな昔と変わらぬベビーフェースで注目を集める永作の素顔に迫る──。
10月18日、女優の永作博美(50)がバラエティー番組「おしゃれイズム」(日本テレビ系)にゲスト出演するや、SNS上では「奇跡の50歳」というワードであふれかえった。スポーツ紙記者も感嘆する。
「10月14日に50回目の誕生日を迎えたばかりの永作は、若々しい鮮やかなピンクのブラウス姿で登場。冒頭からMCの上田晋也が『永作さんって奇跡じゃない? 僕と同い年ですよね』と、マジで驚いていました。さらに『ドアップで撮ってあげて。こんなに半世紀もかわいいのは、他はキティちゃんくらいだからね』と、上田流のいじりも加わり、ツイッター上で話題になりました」
番組内で「若さを保つための秘訣」を聞かれた永作は、次のように明かした。
「諦めることじゃないですか。日にやることが多すぎた場合に、諦めた数の分だけ、たぶん、ちょっと若々しく生きられるんじゃないですか」
この「諦め」がストレスをなくし、それが若さを保つ秘訣という姿勢は、女優業にも相通じている。スポーツ紙記者は、
「15年公開の映画『さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~』(東映)で初共演した佐々木希(32)は、永作を慕っている一人です。難しい役で悩み続けていた時に『自分がいちばん大事だと思うところに集中して、あとは全部捨てちゃえ!』と“魔法の言葉”をかけてもらい、以来、気持ちがスッと楽になったというエピソードを明かしています」
後輩女優に限らず、女性からの人気は高い。現在公開中の映画「朝が来る」(キノフィルムズ)は、30代以上の女性が詰めかけ、永作が大粒の涙を流すラストシーンでは、客席で目頭を拭う女性たちが目立っている。シネマリポーターの津島令子氏の解説によれば、
「辻村深月さんのベストセラー小説の映画化で、実の子供を持てず、養子を迎えることを決めた夫婦(永作と井浦新)と、産んだ子供を育てられなかった14歳の少女(蒔田彩珠)が『特別養子縁組』によってつながり、母2人の物語として構成されています」
メガホンを取ったのは、第50回カンヌ国際映画祭のカメラ・ドールのほか、数多くの賞を受賞している河瀨直美監督だ。
「河瀨監督は永作を起用した理由について『永作ちゃんは話すと中身が男の人みたいで、芯がしっかりとしている。いざという時に泣き崩れたりしない母親役をちゃんと演じてくれるだろう』という旨の話をしていました。確かに永作さんは童顔で柔らかな表情を見せつつ、気の強さも併せ持っていて、ハマリ役と言えそうです。今年の賞レースの有力候補ですね」(津島氏)
すでに第73回カンヌ国際映画祭の「オフィシャル・セレクション2020」に入選するなど、世界でも注目されている作品なのだ。