コメディアン、タレントの小松政夫さんが、12月7日、肝細胞ガンのため東京都三鷹市の病院で亡くなった。享年78歳。生前はザ・ドリフターズとのコントや、「小松の親分さん」「しらけ鳥音頭」「電線音頭」など伊東四朗と見せたコンビ芸は秀逸で、今も我々の心に残っている。
そんな小松さんは、1960年代に一世を風靡した「ハナ肇とクレイジーキャッツ」のメンバーだった、故・植木等さんの付き人だったことでも有名で、俳優の小野寺丈のYouTubeチャンネル〈JOE ZETSU BAR〉の、今年3月8日投稿回に出演した際、感涙モノのエピソードを口にしていた。
〈【小松政夫さん】植木等の付き人時代!!まさかのクビ宣告に大号泣!?[JOE ZETSU BAR vol.44]〉とタイトルをつけた回によると、植木さんの車を食事も忘れて磨き続けていたある日のこと。植木さんに誘われ入った蕎麦屋で、遠慮がちにかけ蕎麦を注文した小松さんに対し、植木さんは天丼とカツ丼を注文。
芸能人はすごいなと感心していると、「あ、医者から止められてたんだ。油モノを食うなって言われた。お前食っとけ」と、植木さんは粋なはからいを見せ、涙したと小松さんは振り返った。
さらには、付き人になって3年10か月が経った頃、車を運転中に後部座席から「明日から来なくていい」と植木さんからいきなりの宣告、クビかと覚悟した小松さん。ところが、植木さんは「(事務所社長と)お前をタレントとして契約して、マネージャーから給料まで決めてきたから、明日から来なくて良い」と言ってくれたそうで、運転中だけにワイパーが欲しいくらい泣いたとスタジオの笑いを誘った小松さんだった。
父親を13歳の時に亡くした小松さんは、植木さんを「親父さん」と慕っていたそうだ。今頃、実の父と芸の父に面会を果たし、懐かしい思い出話に花を咲かせていることだろう。
小松さんのご冥福をお祈り申し上げます。
(ユーチューブライター・所ひで)