テリー 事務所はどこだっけ?
松本 渡辺プロ(現・ワタナベエンターテインメント)です。
テリー 超大手だよ。それでも売れなかった?
松本 全然ダメでしたね。
テリー デビュー曲は?
松本 「♂×♀×Kiss(オス・メス・キス)」という‥‥森雪之丞さんと後藤次利さんに作っていただきまして。オリコンの最高位は131位でした。
テリー あらら。そんな大御所2人に作ってもらっても売れなかったんだ。
松本 はい(笑)。
テリー ということはデビュー曲はコケるし、4文字は言っちゃうし、デビューと同時にいきなり大ピンチじゃない。
松本 だから、もう歌手としての活動はゼロだったし、スケジュールも真っ白でしたよ。ただ、MBSの「ヤングタウン」や朝日放送の「ヤングプラザ」とか、大阪のスタッフの方がちょっとおもしろがってくれて、それでどうにか食べつないでました。
テリー それって、明子ちゃんが香川県生まれっていうのも関係あったの? 関西人パワーというかさ。
松本 あぁ、あったかもしれないです。それで、だんだんバラエティー方面に呼んでいただくようになっていく感じですかね。いわゆるアイドル崩れが、バラエティーに出始めるというか、少しずつ「バラドル」みたいな言葉も出てくるようになって。井森美幸ちゃんや山瀬まみちゃんとか。
テリー あ、そうだよね。だから先駆者なんだよね。
松本 いえいえ、そんなことはないと思うんですけど。森口博子ちゃん、島崎和歌子ちゃんぐらいまで続きましたね。
テリー そうか、言われてみれば昔はそうだったんだよな。今は「アイドル崩れ」なんて言い方もないし、かわいい子がいきなりバラドルのポジションを狙うじゃない。歌番組がないせいもあるのかもしれないけど。今はかわいい子も歌より芸人みたいなことをやったほうが稼げるし、長続きするんだろうね。
松本 今、そういう子は多いですよね。
テリー じゃあ、大阪で食いつないでる間に少しずつ人気が出てきて、「お笑いウルトラクイズ」とかにつながっていくの?
松本 そうですね。あとは「ものまね王座決定戦」にちょっと出させてもらったり。
テリー 歌うまいからな。
松本 いえいえいえ。
テリー 実はこの前の年末も「THEカラオケ★バトル」(テレビ東京系)という番組で一緒になってね。
松本 テリーさんが審査員でいらしてて。
テリー あらためてビックリしたんだよ、歌うまくてさ。
松本 ありがとうございます。
テリー でも、歌うと急に二の線になるんだよな。それがおかしくてさ。こっちは「1回ぐらい落とせよ、笑わせてくれよ」と思いながら見てたんだけど、ずっと真面目な顔で歌ってるんだよ。
松本 アハハハハハ、高得点を出そうと、慎重になっちゃって。
テリー でも、歌い終わるといつものおもしろい明子ちゃんに戻るから、やっぱりそこが本分というか、歌が好きなんだろうね。
松本 そうですね。何なんでしょう。何か歌は特別なものなんでしょうね、私にとって。