古き良き時代はとうに過ぎ去ったのか──。
2月6日放送のラジオ「ヤングタウン土曜日」で、タレントの明石家さんまがお笑いコンビ・キングコングの西野亮廣の退社を惜しんだ。
さんまは西野の退社について「オレらの時代からすると信じられない」と言及。西野がマネジャーをとがめたことについても触れ、「マネジャーが仕事ができると思っている西野もエラいよね。オレはあきらめているから。吉本はオレに仕事ができるマネジャーを付けないんですね」と語り、笑いを誘った。
続けて、歴代マネジャーはキャラや“人としてはいい”けど、“できない人”ばかりだったとして数々のおもしろエピソードを挙げながら、「そういうよき時代。マネジャーとタレントがね、ワーワーワーワーやっている時代。ちっちゃい会社でしたから。仕事をちゃんとしてくれっていうような状況じゃないけど、みんなで何とか『できないオレたちだけど楽しくやりましょう』っていうのが、すごいあった」と、昔を懐かしんだ。それだけに西野の退社については「非常に残念」と語った。
また、自身が辞めない理由については、「(村上)ショージとかジミー(大西)とか、仲のいいやつらが吉本にいるからオレは辞められないというのもある」と明かし、「“かわいい後輩たちが吉本にいるから、こいつらと一緒に”という時代じゃなくなったということやな」と時代が変わってしまったことを嘆いた。
「さんまと村上ショージは芸歴はさんまが上ですが、同い年ということもあり、私生活でも年末年始には毎年オーストラリアへバカンスへ行くほど親交が深い。仕事でも相方的な存在なので、さんまの暴走にも強めにツッコめる唯一の存在と言えます。ジミー大西は若手時代、伸び悩み、半ば会社に見捨てられた存在でしたが、さんまが自分の付き人兼運転手として面倒を見ながら笑いの才能を引き出しました。さんまはマネージャーが有能な人材であるとか、会社から有利な条件を引き出すとかでなく、こうした濃厚な人間関係の中で仕事がしたいのでしょう。しかし、テレビが圧倒的な力を持っていた頃とは違って、現在は動画配信など多チャンネル化したメディアにどう対応していくかが、芸人の生き残りに直結する時代。さんまの言うような事務所と芸人の濃密な関係性は、“古き良き時代”の話になってしまうのかもしれません」(芸能記者)
ネットでは〈やっぱりハートの熱いさんまさんは、きっとたくさんの人に慕われている〉〈さんちゃんの周囲にはいつも(目には見えないけど)仲間や友達や先輩や後輩やファンやスタッフや元妻や息子や娘や兄や沢山の人々がいて温かい絆で結ばれている気がする〉〈さんまさんみたいに、ツライことも笑いに変えられる人には会社にいて欲しいと思います〉などさんまの考え方に賛同する声が続出した。
しかし、さんまが大事にしてきた仲間関係は、ますます「幻想だ」と一蹴されるような時代になっていくのかもしれない…。
(柏原廉)