プロボクシングでのチャンピオンで強いのは、どのタイトルでチャンピオンになった日本人ボクサーか。その名称から言って、当然、強い順に「世界」「東洋太平洋」「日本」の認識だ、と思っている人は多いのではなかろうか。
ところが、元WBA世界ライトフライ級王者・渡嘉敷勝男氏のYouTubeチャンネル〈「渡嘉敷勝男公式」トカちゃんねる〉で、世界チャンピオンと日本チャンピオンには歴然とした差があるものの、現在は日本と東洋太平洋のチャンピオンの強さに変わりがないといった興味深い発言があった。
3月19日付けで〈世界チャンピオンと日本チャンピオン。どれくらいレベル差があるのか?★質問への【回答コーナー!】Vol29★〉とタイトルがついた投稿回で、渡嘉敷氏がその理由を解説しているが、日本タイトル戦の場合、当然のことながら日本人同士の戦いとなり、両選手の応援団も会場に集まりやすい。ところが、東洋太平洋タイトル戦は挑戦者が外国の選手となり、世界戦であれば別だが、応援団を日本に連れてくることはまずないようで、興行的にうまみがないということだ。
よって、30~40年位前をさかいに、東洋太平洋タイトルに重きを置く日本人選手が減ってきていることを指摘した。興行的にうまみのある日本タイトル戦が白熱し、日本人同士でチャンピオンを争った時点で、もう強さのレベルが東洋太平洋タイトル戦と同等のレベルに今はなっている、ということのようだ。
現WBAスーパー・IBF世界バンタム級チャンピオン、井上尚弥は2013年12月6日に東洋太平洋のタイトルに挑んでいる。しかし、プロ4戦目で日本タイトルを獲ると、5戦目で東洋太平洋、6戦目で世界タイトル奪取と、「モンスター」の異名に相応しいスピード感で駆け抜けている。
日本人選手にとって、東洋太平洋チャンピオンを誇ることは、昔とはずいぶん違う意味合いになっていたようだ。
(ユーチューブライター・所ひで)