テリー 今、休みはあるの?
渡辺 今年に入ってからはあんまり。月に1、2回あればいいほうですね。
テリー まぁ、今はプライベートも大事だけど、仕事を頑張る時期だもんなぁ。
長谷川 そう思います。
テリー 俺ね、錦鯉はうまくいけばサンドウィッチマンみたいになれるんじゃないかと思ってるんですよ。
長谷川 ええっ、ほんとですか? サンドウィッチマンさんはすごいですからね。あんなに老若男女にウケるなんて理想ですよ。
テリー というのも俺ね、サンドウィッチマンがバーンと来た時に「笑点に出られるよ」って言ったの。漫才でも「笑点」に出られる漫才と、不向きな漫才があってさ。俺は「笑点」に出られる漫才のほうが長生きすると思うんですよ、営業でも強いし。で、実は若い人もそういう広い笑いをずっとやってる人を支持してくれるんだよね。逆に合わせにいくと、「このおじさんたち寄ってきてるな」って冷めちゃう。だから絶対、高齢者ウケを狙ったほうがいいですよ。
渡辺 わかります。でも、20代でお笑い始めた頃って、それがわからないんですよね。年配の方にウケるより、若い人にウケたほうがいいんだみたいな、勝手な思い込みもあって。でも年を重ねて、周りを見ると、やっぱりそういう方にも笑っていただけるのがいいんだなって思うようになってますね。
長谷川 だから、若い人に寄せたほうがいいのかなと思って、一時期「タピオカ」だとか「鬼滅の刃」だとか、そういうネタをやってたこともあるんですよ。でも、やっぱりちょっと無理が生じて、あんまりウケなかったですね。
テリー それがいちばんダメなんですよ。
渡辺 自然じゃないですもんね、やっぱり。
長谷川 若い女の子の間で流行ってるブランドを僕が覚えるみたいなネタもあったんですよね、「なんとかマクビー」とか。今出てこないですけど。
渡辺 セシルマクビーな(笑)。
長谷川 だから、無理はよくないと思いましたね、ほんとに。
テリー でも今聞くと、逆におもしろいかもね。「頑張って覚えようとしたけど、全然覚えられませんでした」っていうのは。
渡辺 あぁ、なるほど。頑張ったけど、できなかった。
長谷川 覚えられないのを逆手に取ってね。
テリー そうそう。知識もないのに若い人に寄せたネタをやると、知ったかぶりになっちゃうから「なんだよ」ってそっぽ向かれちゃうけど、「やろうとしたけどできませんでした」っていうのは、受け入れられるし、あるんじゃないの。
長谷川 「セシルってどういう意味だよ」「覚えられないよ」なんてね。
渡辺 ありがとうございます、ちょっと考えてみます。
テリー うん、そうしてよ。これからはどんな活動が理想なの?
渡辺 もちろん、漫才はずっと続けていきたいですし。それでテレビでも活躍できたらなと思ってますね。
長谷川 僕もそうです。ほんとに子供の頃からテレビにあこがれて、ずっと出たいと思ってたんですよ。でも、テレビに出られるようになるまで時間がかかりすぎて、出たかった番組がほとんど終わっちゃったんです。だから今、唯一残ってるのが「徹子の部屋」ぐらいで。いつか出たいなと思ってます。
渡辺 早朝バズーカも食らいたかったですね。僕らドンピシャ世代なので。
長谷川 出たかったですね。
テリー じゃあ、いつかやりに行きますよ。あと、浮気してる彼女のところにも。
長谷川 いやいやいや、浮気してませんから! 僕、ほんとに幸せになるんですからやめてくださいよ。
◆テリーからひと言
今まで売れてなかったのは逆に強みになるよね。若い人に寄せなくていいからさ、これからも錦鯉の笑いを追求してください。