現在、第19代として原辰徳氏が監督を務める巨人の、初代監督をご存知だろうか…?東京巨人軍と呼ばれていた時代、1936年から就任した、故・藤本定義氏である。藤本氏は61年から阪神タイガースの監督に就任しており、巨人と阪神の伝統ある両球団の監督を務めた唯一の人物でもある。
その藤本監督のもと、67年から阪神でプレーした江夏豊氏が、日本プロ野球名球会が運営する公式のYouTubeチャンネル〈日本プロ野球名球会チャンネル〉に出演。巨人の「V9時代」を築き「打撃の神様」と崇められた、故・川上哲治監督を、江夏氏が「お爺ちゃん」と慕っていた藤本監督が直立不動にさせたという、驚愕のエピソードを明かした。
5月16日付けで〈【巨人 川上哲治監督に激怒・説教!?】剛腕・江夏豊 阪神タイガースからの伝説のはじまりに迫る!!<日本プロ野球名球会>〉と題し公開された投稿回を観ると、江夏氏がルーキーで出場したオールスターゲームに話は遡る。当時セ・リーグの代表監督は川上氏。シーズン1年目から12勝を上げ、225の最多奪三振のタイトルに輝く活躍ぶりだった江夏氏は3ゲームに登板。名誉あることと意気に感じていた江夏氏だが、藤本監督がひと言「哲!」。こう呼ぶと、走り寄り、直立不動で最敬礼を表した川上監督に、江夏氏の連投を叱咤したのだという。当時、「日本のプロ野球の監督で1番偉いのは川上さんだと思っていた」と語る江夏氏は、その姿を目の当たりにして、「お爺ちゃんてすごい人なんだ」と驚いたとそうだ。
「神様」の川上監督に最敬礼させた藤本監督のエピソード。貴重な話が拝聴できた。まさに「神回」であった。
(ユーチューブライター・所ひで)