12月の目玉で花の慶次シリーズ第6弾「CR花の慶次~琉」の評判がイマイチです。名古屋の直営店でも先行導入2日目で空き台も目立ち、朝から並ばなくても座れていたというレポートに偽りなく、新装初日から慶次は空き台が目立っています。
大量導入のホールは、何とか年内サービスをして年末年始の“武器”にしたかったのに、この反応は、この夏の「呪怨FPF」(藤商事)以来の背筋も凍る大コケぶりです。
初当たり約1000個の出玉で100回転のSTを回せないため、現金投資を余儀なくさせる不快感が空き台を増やしています。
「ルパン三世~消されたルパン~」(平和)が、全国の出玉ランキングを10万発で一気に塗り変え、1日30~50回は当たり前、80~100回大当たりも出現して、20年前の「大工の源さん」並みのムーヴメントを日本中に巻き起こしている中、1万発もなかなか厳しい慶次は、完全に発売するタイミングとスペックを見誤ってしまったと言えるでしょう。
なぜ初代「花の慶次~雲のかなたに~」が30万台突破の爆発的な大ヒットをしたかを冷静に考えれば、今回の慶次は完全なミス采配です。
スロット4号機が強制撤去され始めた07年、スロットファンが打ちたくなるパチンコのナンバーワンが慶次の爆発力とカッコよさでした。ノーマークだった慶次が、「倖田來未」や「仮面ライダーショッカー 全滅大作戦」の本命台をぶっちぎりで人気を独占した時に〈戦国モノだから大ヒットした〉と、勘違いした他のメーカーは、くだらない戦国パチンコを雨後のタケノコのようにリリースして惨敗し続けました。本家の慶次シリーズも初代以降、惨敗が続いています。よほどの軌道修正をしないと“最後の慶次”という噂が、ひょっとすると本当になりそうです。
慶次には3種類のモード(琉球、SD、日ノ本)がありますが、登場人物に思い入れのないキャラやストーリーはつまらなく、正直「雲のかなたに」をそのまま出したほうが出玉も人気もブレイクしたでしょう。
しかも、沖縄版の曲がったキセル予告だけは絶大な信頼度ですが、それまでの擬似連や予告がどんなに「激アツ」といっても、アツくないのが最悪のバランスで、打っていて何を信用していいのかわからないと思います。
ニューギンのロング擬似連は、「コブラ」や「野生の王国」の頃から定番ですが、雷撃慶次予告は7回で超激アツです。ストーリー連続は王道の×3で約33%。先読み「先に行け!!」予告×3で約66%(ただし日ノ本モードは約20%)。熱戦ゾーンや炎上ゾーンが出現すると期待できます。
そして、保留変化もセリフもカットインも蝶柄でないとまったくアテにならないことは肝に銘じてください。
SDモードがよけいで、かなりの慶次ファンは、うんざりしてヤメる方も多いようですが、次回予告や最強カットインなど、激アツ演出に注目してください。
また、人物の区別がつきづらいので、敵の攻撃武器で見分けるしかありません。しかし激アツに見えるバトルもよく負けるので、バトルの爽快感は「仮面ライダーV3」「牙狼」「ルパン」のように気持ちよくないのが、今回の慶次の一番の欠点です。
◆プロフィール 谷村ひとし 1953年生まれ。95年、みずからの立ち回りを描いた「パチンコドンキホーテ」(週刊モーニング)で大ブレーク。過去20年間のパチンコ収支はプラス6200万円突破。累計で20万人以上を擁する携帯サイトで毎日情報を配信中。詳しくは「谷村パチンコランド」で今すぐ検索!
*この連載に記載されたメーカーごとの大当たりしやすい回転数や独自の攻略法はメーカー発表の内容ではなく、あくまで谷村ひとし氏の経験則であり、データ収集に基づいた私見です。