【「GIII久留米」ヤマケンが注目する「決勝戦進出」有力候補12人!】◎脇本雄太/○松浦悠士/▲平原康多/△上田尭弥/佐藤慎太郎/諸橋愛/中川誠一郎/渡邉一成/北都留翼/中本匠栄/野原雅也/坂井洋
人気を裏切ることがあったとしても、必ず立て直してくるのが実力者である。
「GIII久留米」(10月7日【木】~10日【日】)は、20年の熊本地震でバンクが使えなくなった熊本記念の代替開催。SS班4人を迎え撃つのは、多彩なメンバーで強力ラインの九州勢だ。若手機動型による先行争いにも注目したい。
本命は脇本雄太で不動と言うしかない。共同通信社杯を直前で欠場したのは、ハードな練習による腰痛が原因だった。向日町記念完全Vから1カ月余りレースが開き、万全の状態に仕上げてくる。強敵ぞろいだが、狙うは再び4連勝だ。
対抗は松浦悠士。ここ2場所は決勝戦に乗れなかったものの、これまで必ず立て直してきたレース巧者。好位から逆転がある。
あとは通信社杯2着で実力者健在をアピールした平原康多と、ここに照準を合わせている上田尭弥の一撃とみた。
有力候補から漏れた合志正臣を加えた熊本の1班4人衆の中では、中本匠栄が絶好の上田の後位になりそうだ。自力では戦えなくなりつつあるが、それをカバーするのが競走センスのよさ。印は回らなかったが、地元記念初Vを虎視眈々と狙っている。
【大穴この1車】
三谷将太(奈良・92期)。
6~9月の8場所25走で、実に12回も万車券に絡んでいる追い込み選手。その多くはFI戦だが、7月にはグレード戦の函館サマーナイト(【6】【6】【2】)の最終日が2万、GIII富山(【3】【3】【2】【2】)は2日目以外の3戦全てが万車券だった。3万オーバーは1度しかないのは、ラインの2人が3着までに入ることが多いから。大きくは狙わなくていい。2、3着づけで好配当を確実にヒットしたい。
【狙い目の伏兵3人】
まず、特昇を果たした熊本の117期の2選手がターゲットになる。松岡辰泰は1月に特昇し、5月名古屋では3連勝で初優勝。その前後のGIII、武雄と福井で準決勝に進出した実績から、予選はクリアできる。
6月に特昇した松本秀之介は祖父の代から続く競輪一族で、前走の青森記念(【2】【8】【2】【1】)の好走が光る。弟の秀之慎が来年デビューするのも発奮材料になっている。
門田凌(愛媛・111期)が、降級の屈辱をバネに快走劇を演じている。6月久留米記念(【2】【1】【2】【2】)と8月GIII川崎(【2】【1】【3】【2】)で準優勝、前走の通信社杯は準決勝に乗った。決勝戦まで勝ち上がってもおかしくない。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。