3年ぶりのSS班“新田祐大”は勝負の年!
逃げに等しいロングまくりを打てる機動力型は、必ず台頭してくる。
今週は2つの記念を予想する。
豪華メンバーがそろうのは、14年の記念初戦「立川記念」(最終日は1月7日【火】)。決勝戦に駒を進めそうなのは、まず東日本は池田勇人─平原康太─後閑信一の埼京トリオ。この4番手が神山雄一郎だろう。そして、北日本は菊地圭尚─成田和也。西日本は中部の深谷知広─志智俊夫、近畿の稲川翔─村上博幸、井上昌己─園田匠の九州両者が有力と見た。
◎平原=○深谷。ラインの長さと2段駆けのアドバンテージで平原を上位に取ったが、立川を得意にしている深谷の3連覇も十分ある。互角に等しい本命、対抗だ。3番手評価は稲川。持ち味のまくりは軽視できない。
1月11日【土】~14日【火】の「和歌山記念」に出走予定のS級S班は、村上義弘、金子貴志、新田祐大の3人。3年ぶりにSS班に返り咲いた新田にとって、今年は勝負の年になる。周囲からもファンからも実力NO1と認められながらGIタイトルに手が届いていないのは、まだ自分の勝負パターンを持っていないからだ。まくりのタイミングで2コーナーからの仕掛けが合っていると思う。ダッシュ力は輪界随一。まくりの航続距離は長く、スピードが乗れば誰も止められないのではないか。
地元勢では稲毛健太に注目したい。ナショナルチームの一員だけに海外遠征が多く、自転車競技と競輪のフレームの違いに戸惑っているフシもあった。しかし、海外の強豪との戦いで得るものは多く、そろそろ大暴れしておかしくない。
さて、並びと展開。関西勢は地元和歌山の稲毛─東口善朋と、稲垣裕之─村上義で別線濃厚。中部は金子─吉村和之、九州は菅原晃─小野俊之の大分両者。東日本は関東の池田─飯嶋則之、田中晴基─小埜正義─林雄一の南関トリオ、北日本は新田─佐藤康紀。
先行する稲毛に稲垣が続き、金子、池田、新田はまくり狙いになる。
本命は新田。まくりの切れ味は1枚抜けている。対抗と3番手評価は、底力で村上義、金子だ。
伏兵は100期の保科千春(宮城)と古性優作(大阪)、そして小原唯志(茨城・101期)の機動力型3選手。小細工せずに挑戦者に徹すれば、結果はついてくるはずだ。
◆プロフィール 山口健治(やまぐち・けんじ) 1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。
◆アサヒ芸能1/7発売(1/16号)より