スポーツ

山口健治の“江戸”鷹の目診断「大宮記念」

卓越したセンス!平原康多の2連覇濃厚

 トップクラスの先行型の戦いは一瞬の判断の差で結果が分かれることになる。「大宮記念」(1月18日【土】~21日【火】)に出走予定のS級S班は、平原康多、新田祐大、深谷知広。この3人がそろうのは暮れの立川グランプリ以来だ。平原と新田は次走の「奈良記念」(1月31日~)でも顔を合わせるが、深谷はこのあとの松山「全日本選抜」(2月8日~)まで充電期間に入る。今年のGI初戦を意識しながら、どこまで手の内を見せるか興味深いシリーズになる。

 06年から昨年までの8年連続決勝戦に進出し、4度の優勝を誇るのが平原。地元記念とはいえ簡単には成し遂げられないことで、その支えになっているのが卓越した競輪センスだ。先行しながら後方からの攻めを牽制できるのは平原だけ、と言っていい。好位につけて逃げるラインを射程圏に入れながら、まくりを封じて踏み出す姿が目に浮かぶようだ。

 そして、かつての競輪道を彷彿させたのが師匠の金子貴志が後ろにつけた時の深谷だ。圧巻だったのはグランプリ。一列棒状になったのは深谷が逃げれば誰も捕まえられないことを証明した。

 強烈まくりと両用の構えで戦うようになれば、ライバルには脅威になる。ここでは新田との戦いが注目される。

 さて、並びと展開。関東は地元の平原─藤田竜矢岡田征陽が3番手を固めて埼京トリオ。南関東は松谷秀幸高木隆弘武井大介で結束し、北日本は新田─内藤宣彦。西日本勢は中部の深谷─山口富生と、濱田浩司小川圭二岩津裕介の瀬戸内ライン。他では神山拓弥松岡健介が圏内と見た。

 500バンクだけに逃げると不利だが、それでも深谷が主導権を取り、平原と新田はまくりになる。

 SS班の先行3者の力が抜けている。印は◎平原、○深谷、3番手評価が新田。地元の利とラインの長さで平原の2連覇濃厚だが、その差はわずかだ。

 伏兵は、越智展孝(愛媛・88期)、相川永伍(埼玉・95期)、志村龍己(山梨・98期)の3選手。

 まくりが持ち味も粘り強いレースに期待するのが越智。地元の相川はS級返り咲きだが、A級で抜群の成績を残した勢いを買う。志村は90期S級1班・志村太賀の弟。逃げ一手のレースっぷりを評価したく、まだまだ伸びしろはある。この3人、予選が狙い目だ。

◆プロフィール 山口健治(やまぐち・けんじ) 1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。

◆アサヒ芸能1/14発売(1/23号)より

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