広島東洋カープ一筋、元プロ野球選手の大野豊氏と言えば、先発、中継ぎ、抑え投手と22年間フル回転で活躍。1988年には最優秀防御率のタイトルに加え、沢村栄治賞も獲得。そこから10年近くが経過した97年にも再度、最優秀防御率に輝くといった、長きに渡り広島の守護神として活躍したレジェンドである。
その大野氏が、主に広島で活躍した元プロ野球選手・高橋慶彦氏のYouTubeチャンネル〈よしひこチャンネル〉に出演。苦手だったバッターを問われたところ、あの大打者には「目力だけ」で震え上がったといった興味深いエピソードを振り返った。その大打者とは…?
10月24日付け投稿回を観ると、「コースさえわかれば打てるバッター」として、ランディ・バース氏(阪神)、対戦が楽しみだったのは落合博満氏(ロッテ、中日、巨人、日本ハム)と、いずれも三冠王に輝いた名スラッガーを挙げる中、「でも、一番最初にプロの厳しさを教わったのは王さんなんです」と、世界のホームラン王、王貞治氏の名前を挙げた大野氏。後楽園球場で初めて対戦した際、先輩から「王さんの目を見るな」と注意を受けていたそうなのだが、投球前のセットに入って王氏の顔を覗き見ると、「王さんの目がグワッと見開いて、足が震えたんですよ…」と振り返っており、「王さんて凄いのは打つことも凄いことなんだけど、あの目でピッチャーを威圧して、少しでも自分が有利なものを呼び込むと言う目力。この強さと言うのは凄いなと思ったんです」。
まるで野武士を思わせる王氏の目力。本塁打王15回、打点王13回、首位打者5回のタイトルは伊達ではない。大野氏の感嘆なる言葉から、王氏のバッターボックスに立つ際の真剣さ、気迫が画面越しに伝わってくるような、見ごたえのある回だった。
(ユーチューブライター・所ひで)