現在放送中の連続ドラマ「アバランチ」(フジテレビ系)が、コアなドラマ好きたちの間で、〈まるで映画のような世界観〉などSNSで盛り上がっている。ドラマに定評のあるカンテレ(関西テレビ)が制作に携わりフジ系で放送する新しいドラマ枠は、果たして“功を奏した”と言えるのか。視聴率だけでは人気度を括れなくなってきてはいるが、数字の方は徐々に下がりつつある。直近の11月1日放送の第3話は8.9%、遡って第2話が9.3%。初回こそ10.3%(世帯視聴率)と2ケタ台を出したものの今のところはジリ貧状態だ。ドラマライターがこう解説する。
「初回が好発進だったのは、番組の事前情報がほとんどなくスタートしたことと、新しいドラマ枠だったことなどの話題性が大きかったのかもしれません。ただ、初回後の感想では、《いろいろ既視感がありすぎる》《主演が綾野剛で期待していただけにガッカリ》など、“1話で離脱宣言”もかなり見られています。しかしそこは、制作側も仕掛けは用意しているようで。1&2話では一見、1話完結型に見せていますが、3話では次回以降も話が続いていくという展開で終了。これからが、この枠ならではの味を出していく回でもあり、やっと“本番”といったところなのかもしれませんね」
ところで3話は、主要キャラのひとりで元自衛隊の明石リナ役を演じる高橋メアリージュンがストーリーの要となり、個人的な仇討ちも兼ねて敵陣に挑んでいくのだが、彼女の評判は悪くない。
「第1話放送直後から、《高橋メアリージュンに蹴られてえな~!》《格闘シーンさまになりすぎでしょう》といった声がネットで見られました。3話冒頭で、冷たい作り笑顔を見せながら敵対勢力の関係先である高級サロンに入り込んでいったリナが、ラストで仇討ちのひとりを無表情でボッコボッコに殴り続ける…。この辺りの豹変ぶりが見事でしたね。また今話でリナの“標的”のキーマン役が元おニャン子の国生さゆりでした。彼女の“ぶりっ子キャラ”がリナの存在感とは真逆で、リナの“身体的な強さやカッコよさ”を際立たせていましたね」(前出・ドラマライター)
〈高橋メアリージュンのポテンシャルに期待する〉との声もあったそうだが、同じく主要キャラの木村佳乃など女性陣の今後の活躍ぶりとともに、淡々と暗いタッチで進んでいく絵面は華やかになるのかどうか。そのあたりも今後の視聴率に影響してきそうである。注目していきたい。
(島花鈴)