12月上旬の冷たい雨の降る早朝。六本木にあるエンターテイメントショークラブ「バーレスク東京」のステージに“ショーパブダンス”を踊る女優・菜々緒の姿があった。撮影スタッフが鼻の下を伸ばしながら語る。
「菜々緒は黒光りのウロコが散りばめられたタンクトップの上に黒いジャケットスタイル、下半身は黒いショーパンに網タイツの全身真っ黒コーデでした。ダンスは、本職のモデルさながらにランウェイを歩いた後にチャールストンを披露。小刻みに揺れるバストはもちろん、ジャケットを脱ぎ着するときにチラ見せさせる生ワキはビューティフル! 代名詞の“菜々緒ポーズ”を彷彿させる、ヒップを強調したウェーブもお見事でした。ダンス経験がほとんどないそうですが、本職のバーレスクダンサーに引けを取らない艶っぽさでしたよ」
これは、22年1月3日に新春ドラマスペシャルとして放送される「緊急取調室」(テレ朝系)のワンシーン現場である。14年に天海祐希主演でスタートした人気刑事ドラマシリーズで、今作は21年7月期に放送された第4シーズンのラストに発生した8億円強奪事件の真相に迫る内容になる。
「菜々緒さんの役どころは、強奪事件の被疑者が遺体で発見された家の家政婦。今回の撮影は家政婦になる前の回想シーンになります」(前出・撮影スタッフ)
ダンスシーンを撮り終えた菜々緒はすぐさまカメラチェックに走る。その前に撮影した本職のバーレスクダンサーの集団パフォーマンスに気後れしたのか、「一人で踊るのって迫力に欠けませんか? なんか素人が踊っているみたいで…」
と、自信なさげな心境を漏らした。実際この撮影前の、ダンスを初披露して拍手喝采を浴びたリハーサルでも、両手で顔を隠して恐縮するばかりだった。それでも、監督の「バイブス上げてこう!」との掛け声に、「バイブス~!!」と大声でレスポンスして現場を盛り上げていた。無事にダンスシーンを撮り終えるや「やっと終わった…」とホッと胸を撫でおろしていた。
「相当練習を頑張ったんでしょう。慣れないダンスに体が悲鳴を上げてしまったのか、撮影の約1週間前にギックリ腰になったことを共演者に明かしていました。オフの日に部屋の掃除をしているときにゴキっとやったとか。とはいえ、すぐに病院に駆け込んで治療を受けて大事には至らなかったのが不幸中の幸いです」(前出・撮影スタッフ)
そんな悲劇をステージ上でおくびにも出さない菜々緒のプロ根性には、感服するばかりだ。