落合博満氏、タフィ・ローズ氏に続き、3人目のセ・パ両リーグでの本塁打王に輝いた山崎武司氏と言えば、一塁手、もしくは外野手の印象が強い。が、プロ入りした中日ドラゴンズでは、キャッチャーとして将来を嘱望されていた時期もあった。
1986年、ドラフト2位で中日入りした山崎氏は、89年9月7日の対広島カープ戦に代打として一軍初出場。同月10日には初安打を記録、着実に結果を残し始めていたが、10月15日の対広島戦、キャッチャーとして先発出場するも、正田耕三氏に5盗塁を許し、首脳陣から「捕手失格」の烙印を押される結果となったのだった。
その試合において先発でマウンドに上がり、山崎氏とバッテリーを組んだ元プロ野球選手の杉本正氏が、主に広島で活躍した高橋慶彦氏のYouTubeチャンネル〈よしひこチャンネル〉の、2月2日付け投稿回に出演。
「正田に打たれるわけじゃないですか。2盗…投げたらワンバン、3盗…。また次の打席出してしまって、2盗、3盗、正田に…。で、正田はタイトル獲ったわけですよ。山崎はそれでキャッチャーをやめたわけですよ…」と、苦々しくも、高橋氏の笑いを誘いつつ過去を振り返った杉本氏。
正田氏は、この試合、代わってキャッチャーとなった中村武志氏からも1盗塁を決め、1試合6盗塁の日本プロ野球タイ記録を樹立、この年の盗塁王にも輝いている。
そんな輝かしい功績の陰に隠れるも、むしろ存在感を存分にアピールした山崎氏。ぜひ当チャンネルにゲストに招いて、当時の心境を高橋氏に訊ねてもらいたいところだ。
(ユーチューブライター・所ひで)