故・野村克也氏のイメージを「めんどくせえ、うるせえ、野球の話になったら止まらない…ま、その通りなんですよ実は…」と笑いを交えて口にしたのは、中日ドラゴンズと楽天ゴールデンイーグルスのセ・パ両リーグで本塁打王のタイトルに輝いた、元プロ野球選手の山崎武司氏だ。しかし、そう“悪態”をつきながらも、野村氏が楽天で監督を務めた2006年から09年、同じく楽天に在籍していた山崎氏の発言は聞き入れてくれていたそうで、ヤクルト時代の野村監督とはだいぶ印象が異なることが明かされた。東海テレビのYouTubeチャンネル〈【東海テレビ公式】ドラHOTpress〉、4月5日付けで〈山本昌&山崎武司プロ野球やまやま話「○○監督との思い出」〉と題した投稿回だった。
それによると、朝弱いタイプの野村監督は試合の合間の練習を午後から組んでいたそうだ。しかし選手は皆、朝イチから練習し、午後はフリーにしてほしいとの要望を持っていたことから、コーチを務める池山隆寛氏や橋上秀樹氏らに山崎氏が直訴。しかし、ヤクルトで野村監督の教え子だった両氏は「言えるわけねえだろ」と素っ気ない返答だったとか。
ところがある日、あまりに選手たちがヘロヘロになっていたことから翌日の練習の休みを再度池山氏に相談したところ、「そんなに言うならお前が行ってこい」と突き返された。で、山崎氏が「監督、明日休みにしましょう。みんなヘロヘロです。疲れてます」と直談判。
すると野村監督の反応は「そうなんか、疲れてるんか、わかった…休み」と理解を得たと野村監督の口調をマネつつ、山崎氏が懐かしそうに振り返ったのだった。以来、味をしめた池山氏は「武司、行け、行け!」と、山崎氏をけしかけチームの休日を勝ち取っていたといった興味深いエピソードが明かされた。
ヤクルト時代は定かではないが、楽天では一方通行にならず選手の話をよく聞いてくれたと明かす山崎氏。空から野村氏の照れ笑いが聞こえてきそうだ。
(ユーチューブライター・所ひで)