「横浜一筋」17年(入団時は大洋ホエールズ)で、「ヒゲの齋藤」の愛称でも親しまれた元プロ野球選手・齋藤昭雄氏。ルーキーイヤーの1977年に8勝をあげて新人賞を獲得。82年に最優秀防御率、83年と86年には最優秀救援投手のタイトルに輝き、オールスターゲームにも6回出場する人気選手だった。
その齋藤氏が、82年のオールスター第2戦にマークした「記録」がある。7回からリリーフでマウンドに上がるも同点打を叩かれ、結果、11回まで、5イニング投げることになったのだが、これはオールスター史上「最多投球回」記録である。
主に広島カープで活躍した元プロ野球選手・高橋慶彦氏のYouTubeチャンネル〈よしひこチャンネル〉の、12月16日付け投稿回に齋藤氏が出演し、この時のエピソードが語られている。そのオールスターの試合後に帰宅すると、当時の大洋を率いた故・関根潤三監督から電話を受け、てっきり頑張ったと褒めてもらえるのかと思っていた齋藤氏だが、リリーフは、“投げても3イニング”のところ、「5イニングも投げて大丈夫か!肩肘大丈夫か!」と、お叱りを受けたのだとか。
関根監督は現役時代、投手として活躍するも、肩の故障から1957年シーズン途中に野手に転向した経緯がある。関根監督には、そんな過去もよぎったのであろうが、その年に3ケタの122安打をいきなりマークするところはお見事。また、齋藤氏も「投げすぎ」だと関根監督からお叱りを受けた82年に、先述の最優秀防御率を獲得し、こちらもスゴイ。野球解説者時代には、好々爺然とした笑顔の印象が懐かしいが、そんな関根監督の貴重な叱咤エピソードだった。
(ユーチューブライター・所ひで)