交流戦優勝にあとがないオリックスは、6月7日のヤクルト戦に6対1で勝利した。
この日は前半5回までにタイムリーを含む6得点を挙げて、試合の主導権を離さず。先発した山岡泰輔が7回1失点にまとめ、4勝目をマークした。
シーズン序盤は貧打が目立ち、チームはなかなか浮上するに至らなかったが、気が付けば、節目の交流戦で6連勝を記録。パ・リーグでも3位と、じわじわ浮上し始めた。球界OBは、
「投打がようやくかみ合ってきた。2年連続首位打者の吉田正尚らをケガで欠く中で、前後の打者が機能してきたのがいいね」
と目を細める。
昨年は四半世紀ぶりのリーグ優勝を決めて久々の「オリフィーバー」を巻き起こしたが、アキレス腱がないわけではない。前出の球界OBは「暴走しなければいいけどね」と険しい表情で、次のように言う。
「選手の入れ替えを裏で仕切っているのは、中垣征一郎巡回ヘッドコーチだともっぱらです。元々は日本ハムにトレーナーとして入団しており、選手経験はありません。それなのに19年に福良淳一GMらの要請で、球団本部育成統括GM補佐兼パフォーマンス・ディレクターとしてオリックスに入団。昨年優勝し実績が認められたとして、今年はさらに権限を持たされていますが、選手からは『冷静な戦力分析を元にせず、偏った考えで1軍昇格、2軍降格を決めている』とすこぶる評判は悪い。現時点では幸いにしてうまく回っていますが、いつまたおかしな方向に行くか、誰も分からない。相変わらず中嶋聡監督の信頼が厚いですからね…」
こうした雑音も、勝てば全て封じることができる。首脳陣が目の色を変えて優勝を狙うのも納得できる話なのだ。