「科捜研の女」や「おみやさん」など、数々の刑事ドラマを生んだテレビ朝日系の木曜ミステリーが、7月期で終了するという。
「木曜ミステリー枠は元々、東映京都撮影所が制作していた時代劇から舞台を現代に変えて、中止と再開を繰り返しながら23年続いたドラマ枠でした。気になるのはテレビ朝日と東映の関係です」
こう話すのは、ドラマ制作関係者である。
なにしろ京都・太秦の東映京都撮影所が制作するドラマが地上波から消えるとなれば、それはすなわち、東映京都撮影所の存続危機となる。放送担当記者によれば、
「テレビ朝日で東映がメインに制作している番組枠は4つ。今回終了する木曜枠と水曜枠の刑事ドラマ、そして子供向けの仮面ライダー、戦隊モノの枠です。松坂桃李が大ブレイクしたシンケンジャーの成功はあれど、今の子供や20代の若い親にはサムライや忍者をモチーフにした戦隊モノはウケが悪いと言われています。戦隊モノで太秦撮影所を使う機会は少ない。さらに少子化やゲームの普及、YouTubeの影響で、仮面ライダーや戦隊ものの玩具の売れ行きも頭打ち。いつまで玩具メーカーが子供番組のスポンサーになるか、分かりません。来春には映画『シン・仮面ライダー』が放映されますが、言葉を変えれば、新たな視聴者層は見込めないがゆえの、庵野秀明頼み」
残る東映ドラマ枠は「相棒」の水曜9時なのだが、こちらも来月70歳を迎える水谷豊の年齢を考えれば、新たな相棒を迎えて大円団を迎えるのでは、との声がある。
外野の心配をよそに、東京・練馬区の東映撮影所には、黄金に輝く水谷の手形が飾られている。木曜ミステリー枠が終わり、テレビ朝日と東映の「黄金関係」はいつまで続くか──。