岸和田「高松宮記念杯」◎古性優作/○松浦悠士/▲郡司浩平/△平原康多/佐藤慎太郎/吉田拓矢/新田祐大/深谷知広/新山響平/眞杉匠/清水裕友/太田竜馬
相次ぐ若手機動型の台頭は、スピードスターを刺激することになる。
今年のGI第3弾、岸和田「高松宮記念杯」(6月16日【木】~19日【日】)。勝ち上がりは東西に分かれ、準決勝はそれぞれ2レース。2着までの計8人と、その前のレースで9人目が決まる。
古性優作が地元の大舞台に満を持して登場する。2月の全日本選抜以来優勝はなく、単騎戦が濃厚も、静岡GPの優勝で単騎戦の強さは証明している。先行ラインの後ろから一気に仕掛けて、抜け出しを決める。
2着惜敗が続く松浦悠士が逆転候補だ。好調な太田竜馬の後位は絶好のポジション。シルバーコレクター返上のチャンスでもある。あとは東の実力者、動ける郡司浩平と位置取りが巧みな平原康多の強襲とみた。
昨年の覇者、宿口陽一が前走の取手記念で久々の決勝戦に乗った。吉田拓矢─平原の3番手になるが、好走するようなら後半戦に弾みがつく。
清水裕友は松浦の後ろを回ることが多くなった。ヨコにも強い戦闘能力は高く、まくり脚がある。混戦で出番がある。
若手機動型の台頭に刺激されたかのように、深谷知広が奮戦している。スピードに衰えはなく、前走のFI京王閣では圧巻の3連勝を飾った。眞杉匠とともに東日本の先導役を務めることになる。
【大穴この1車】
木暮安由(群馬・92期)。
GI戦屈指の大穴メーカー。全日本選抜は不発だったものの、ダービー(〈3〉〈8〉〈3〉〈1〉)は、初日4万100円、4戦目が3万8720円。3着2本の全日本選抜は万車券不発も競輪祭(〈2〉〈2〉〈8〉〈1〉〈8〉)は、初戦4万8950円、4走目6万5970円と高配当を並べた。昨年の宮記念杯では初戦2着が1万4760円。メンバー不問の追い込み選手で、今年は2発ある。
【狙い目の伏兵3人】
石原颯(香川・117期)が中四国の先頭でバンクを駆け抜ける。決勝戦に乗った取手記念も、2勝したダービーも全てバックを取っていた。GIはすでに5戦目。買うなら逃げ切りだ。
岩谷拓磨(福岡・115期)の持ち味は、叩かれたり立ち遅れたりしても、立て直してくる粘り脚。2、3着で予選突破がある。
119期からただ1人、最年少(20歳)の吉田有希(茨城)がGI初出場となる。名前が先行している感があり、地元の取手記念は2次予選で失速した。ここで巻き返すようなら全国区への第一歩になる。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。