「京王閣記念」◎平原康多/○古性優作/▲新田祐大/△眞杉匠/宿口陽一/井上昌己/和田健太郎/岩津裕介/渡部幸訓/小原大樹/森田優弥/松井宏佑
単騎でも果敢に攻めるのが、自力で戦えるファイターだ。
「京王閣記念」(10月29日【土】~11月1日【火】)は、地元をはじめ、東日本勢が断然の陣容を誇る。強力先行が見当たらない西日本の追い込み選手は好位を狙ってもおかしくなく、勝負どころでは見応えのある番手戦もありそうだ。
関東の総帥、平原康多がラインをコントロールしながら、連覇を成し遂げるとみた。並びは眞杉匠─森田優弥─平原。西勢に狙われそうな森田はヨコも強い。平原が抜け出し、今年5度目の記念Vを飾る。
レースを左右するのが古性優作の戦い方だ。すでに年末の平塚グランプリに照準を合わせているのか、最近のレースではおとなしい。ただ、自力で戦えるファイターでスイッチが入れば一変するはず。西の混成軍で岩津裕介か井上昌己がつければライン戦濃厚も、単騎なら強気に攻める。平原との踏み合いに持ち込むようなら逆転もある。
あとは、まくり一手だが新田祐大は侮れず、後ろが混戦になれば眞杉の無心の逃げ切りが決まる。
前走の岸和田で完全優勝した鈴木竜士にとって、ここは地元記念でもある。決勝戦に乗れば平原の後位を主張できる。有力候補に入れなかったが、表彰台のチャンスは十分ある。
【大穴この1車】小森貴大(福井・111期)。
9月は立川(〈2〉〈2〉〈6〉)の準決勝、小倉(〈1〉〈3〉〈1〉)の最終日とも1万円超と小ぶりな万車券を演出しているが、最も輝いたのが春に参戦した東日本の記念だった。準決勝に乗った5月函館記念(〈2〉〈2〉〈5〉〈1〉)の最終日1着で5万5710円。S級の上位選手に伍して大健闘した4月川崎記念(〈2〉〈2〉〈3〉〈9〉【9】)の2着2本はどちらも2万円超だった。春と同じ涼しいこの季節。1本は逃げ残りがある。
【狙い目の伏兵3人】
高橋築(東京・109期)が、ホームバンクで奮起する。2カ月半の欠場から復帰して3場所目。照準はここに合わせており、まくり一発がある。
昨年31歳でデビューした元Jリーガーの北井佑季(神奈川・119期)が、順調に出世街道をひた走っている。5月に特昇して8月小田原記念を〈1〉〈2〉〈7〉〈1〉と好走し、9月平塚(〈1〉〈2〉〈1〉)でS級初優勝。オールドルーキーの成長曲線は、まだ止まりそうにない。
福永大智(大阪・113期)は、8月GIII岸和田で準決勝進出、9月青森記念の3勝が光る。主導権を取って、そのままがある。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。