「四日市記念」◎古性優作/○守澤太志/▲平原康多/△浅井康太/渡部哲男/北都留翼/柴崎淳/坂口晃輔/小松崎大地/松井宏佑/高橋晋也/坂井洋
A級で若手と戦って、ベテラン選手の脚力がよみがえることがある。
ナイターで行われる「四日市記念」(11月10日【木】~13日【日】)の上位陣は、ここが小倉競輪祭(11月22日~)前の最終戦。とはいえ競輪祭まで日程に余裕があり、勢いをつけるためにも全力で勝ちにいくはずだ。
GIを2度戴冠している1億円レーサーの古性優作が、自在戦で今年初の記念Vを飾るとみた。前走の京王閣記念は2戦未勝利で欠場したが、これまでも敗戦を引きずることはなかった。単騎戦が濃厚だが、中部近畿ラインで浅井康太がつけるようなら、さらに戦いやすくなる。
対抗は乗れている守澤太志。惜敗2着だった寛仁親王牌決勝戦で連係した小松崎大地の後位は、再び約束されている。直線の鋭いタテ脚で古性との勝ち負けに持ち込む。あとは坂井洋との関東両者で番手まくりを打つ平原康多と、底力のある浅井を警戒する。
この地元記念を3度制しているのが柴崎淳。FIを2度勝っているように力の衰えはなく、柴崎─浅井─坂口晃輔の地元トリオで並ぶようなら要注意だ。仕掛けどころを知り尽くしているホームバンクだけに、強敵がそろっていても、果敢に動いて地元ファンにアピールする。
【大穴この1車】福田知也(神奈川・88期)。
10月のGIII松山で〈1〉〈1〉〈2〉〈1〉。予選スタートのGIII初優勝は先行に恵まれたからで、最高配当は初日の4970円と低かった。ただし、それまでは8月GIII函館(〈4〉〈3〉〈7〉〈3〉)の3着2本が5万4510円と1万410円。地元の4月川崎記念(〈1〉〈1〉〈4〉〈8〉)の1着2本は、2万円超と1万円超を演出している。好位はなくてもコースを探し出す追い込み巧者。筋違い2、3着で一発はある。
【狙い目の伏兵3人】
地元勢期待の若手機動型が橋本優己(岐阜・117期)だ。来期は初の1班昇班が決まっている。ラインができれば前残りもある。
1期半年でS級復帰した中村一将(兵庫・86期)がA級で若手に刺激され、ハツラツとした戦いで健闘している。記念2戦とGIII1戦で〈3126〉と3連対率は5割。かつてGI常連の46歳が、自在戦でバンクを沸かせる。
1月には1班に返り咲く横山尚則(茨城・100期)も、2班とは思えない好成績を残している。9月向日町記念で準決勝を走り、7月弥彦記念は〈1〉〈2〉〈1〉〈7〉と好走。ここはセミファイナルが目標になる。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。