立憲民主党の菅直人最高顧問が今回の参院選(7月10日投開票)では、大阪特命担当として、日本維新の会への批判を繰り返し、大阪選挙区で争う立民候補を応援している。菅氏は「維新政治を斬る!」と題したパンフレットまで作成する力の入れようだ。
今回の参院選では水道橋博士がれいわ新選組から出馬し、維新の代表たる松井一郎大阪市長への批判を展開。「反維新」が今回の参院選ではキーワードになりつつある。
参院選公示日の6月22日、菅氏は大阪・梅田のヨドバシカメラで街頭演説を行った。
「本来、東京を選挙区とする衆院議員でありながら、なぜ大阪の特命担当を自ら希望し、こういう形で、最初の演説をするのか」
そう口火を切った菅氏は続けて、
「このままだと、日本は大変な問題を抱えてしまう。維新はインチキですからね。維新は間違ってますからね」
また、府と市が一体となって、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致計画を進めることも問題視した。
菅氏が自らの「政敵」のように維新に噛みついたのは、今年1月だった。「(ナチス・ドイツの)ヒトラーを思い起こす」とツイッターに投稿したことに維新が抗議すると、逆に菅氏が噛み付き、菅VS維新の構図を作ることに。
その流れから、菅氏は自ら「大阪特命担当」を党にお願いし、了承された。
ただ、物足りなさも残る。大阪で維新が根強い人気を維持する一因でもある「大阪人の公務員への不信感」に対する施策がないからだ。保守系宗教団体関係者は、
「維新が台頭する前は公務員天国で、勤務時間でも選挙活動をしていたり、市民への態度も悪かった。もう二度とあの時代には戻りたくない、という思いが根強い」
労働組合が大阪府政、市政にどう取り組んでいくのか。そこをうまく伝えないと、菅氏の「維新退治」は難航するだろう。
(健田ミナミ)