業界のウワサの中心は“ルパンを1台でも多くカキ集めること”と“店舗数の減少”です。
ルパンの増台についてはここで何度も触れていますが、店舗数は減少傾向にあります。13年12月末で前年度から256店舗の減少。計1万1893店舗になっています。ただ、1000台以上の巨大ホールが222店舗もあります。小さなホールが3~5店舗潰れても、その合計台数よりも多い巨大ホールが月に3店舗のペースでオープンしているのです。GW前には名古屋で2100台、埼玉で2400台という超巨大ホールもグランドオープンする予定。ホールの弱肉強食化は、ますます進みそうな気配です。
ちなみに、スロット専門店は増加傾向にあります。お小遣いで遊べる範囲の5円スロットの登場で、12年より49店舗増えて1020店舗。1カ月に4店ペースでオープンしています。
ルパン以外の新台の大コケが続いたせいで、パチンコの設置台数は300万9314台。これは前年比で3万3162台減っています。逆にスロットは160万2148台と、5万台以上増えていて、ホールの稼ぎ頭になっています。
全国のホールの約22%が500台以上の大型店舗になっています。この数字は3月7日に警察庁が風営白書2013で公表した、リアルな現実です。パズドラなどの携帯ゲームに時間やお金を費やす若者が、どの程度スロットやパチンコに興味を持ち始めているかが、業界全体の把握しきれない遊戯人口の未来なのです。
79年、インベーダーゲームVSパチンコという、現在より遊戯人口が激減した時代がありました。パチンコは1年後の80年にSANKYOがフィーバー機をデビューさせ、パチンコ人気復活のノロシを上げたのは34年前の出来事です。95年の1万8244店舗をピークに、娯楽の多様化、日本経済の不況のあおりをモロに被ってしまうのが、不況に強いと言われたパチンコ。ですが今は、厳しい平成不況の風のようです。
とはいえ、ルパンがおもしろすぎて、他の新台を打つ気がしないパチンコファンが全国に1000万人はいるわけですから、いい台を各メーカーが努力して作れば、まだまだパチンコも捨てたもんじゃないという感じです。
“打倒ルパン”は、はたしてどこのメーカーのどの新台なのか。「キン肉マン」第2弾の登場がGW明けにズレ込んだ関係で、「牙狼FINAL」や「北斗の拳覇者」を倉庫や中古業者からカキ集めて、ルパンと三本柱にしているホールが目立ちます。海物語もいよいよ「桜MAX」が4月の目玉になりそうです。
あまりにも迷走を続けている各メーカーを尻目に、ルパンの平和だけが「CRストリートファイターIV」「CR女だらけの水泳大会」と、快調に新台リリースを続けています。
2014年春のパチンコニュース。いかがでしたでしょうか。ルパンで玉ちゃんを3回も見たドンキホーテがお届けしました。
◆プロフィール 谷村ひとし 1953年生まれ。95年、みずからの立ち回りを描いた「パチンコドンキホーテ」(週刊モーニング)で大ブレーク。過去20年間のパチンコ収支はプラス6200万円突破。累計で20万人以上を擁する携帯サイトで毎日情報を配信中。詳しくは「谷村パチンコランド」で今すぐ検索!
*この連載に記載されたメーカーごとの大当たりしやすい回転数や独自の攻略法はメーカー発表の内容ではなく、あくまで谷村ひとし氏の経験則であり、データ収集に基づいた私見です。