ヒポクラテスの時代から研究されていながら、原因も有効な治療法も確立されてないのが耳鳴り。厚生労働省の調査によれば1000人に18人が耳鳴りで悩んでおり、年々増え続けているという。しかも今や若年層にも広がり、春先に増えるというが、この厄介な病に有効な先人の知恵があった。
「耳鳴りとは周囲の音と無関係に本人だけが頭の中で音が聞こえると自覚するものをいうが、なぜ音のないところに音の感覚が発生するのか、そのメカニズムがわかっていないため有効な治療法がないのです」(馬場俊吉・日本医科大教授・千葉北総病院副院長)
女優・歌手の増田恵子も耳鳴りで悩んでいたことを告白しているが、これといった治療法もなく、なかなか完治にはいたらないのが現状だ。大手漢方メーカー常務の原田邦夫氏が話す。
「東洋医学では耳における症状はすべて腎(腎臓)から来ているととらえますから、腎が弱ると体内の水分代謝の異常で耳鳴りが起こると考えます」
漢方薬はこれに基づいて処方されているのだが、身近にも同様の効果を発揮する先人の知恵があった。それが道端や空き地に生えているドクダミだ。ドクダミには、多くの種類のフラボノイドが含まれており、古来より“十薬”といわれる“万能薬”である。原田氏が説明する。
「ドクダミの全草を水洗いしたあと陰干しし、煎じて飲むといい」
このドクダミ茶には老廃物除去作用、毛細管強化、神経細胞や筋肉組織の活性化、そして自律神経をコントロールする働きがあるから健康維持にも期待できる。ちなみにドクダミが多く見られるようになるのはゴールデンウィーク頃だ。