テリー 今度出るアルバムの新曲に振りは付いてるの? 聴かせてもらったけど「Del Sole」なんて、ちょっとイタリアっぽくて、踊りたくなる感じだよね。
増田 そうなんです。エレクトロスウィング調のリズムというか、すごくオシャレだし、レコーディングの時もノッちゃって(笑)。プロデューサーが「ケイちゃん、いいの録れてるから大丈夫」って言ってるのに、「いや、もう1回歌いたい」って言って、「いい加減にしろ」って言われるまで歌わせてもらいました。
テリー 振りは?
増田 あります。みんなには別に踊らなくていいって言われたんだけど、どうしても体が動いちゃうから、踊りたいって言って。
テリー あ、自分から言ったんだ。いいね。
増田 ただ、けっこうテンポが速いし、ブレスの場所が少ないので、歌うだけでも苦しいんですよ。それで土居先生の最後のお弟子さんに振り付けをお願いしたんですけど、「歌うだけでも苦しいから、踊ってるように見える、楽な振りを」って言ったんです。
テリー 厄介な女だなぁ(笑)。
増田 それなのに、振りが完成して、スタジオで練習したら、すごい難しくて。「ええっ、こんなのムリ!」って言ったら、「何言ってるんですか! ケイさんは、ピンク・レディーのケイちゃんですよ!」って言われて、「あ、はい。わかりました、やります」って(笑)。
テリー アハハハ。今さ、そういう振りってすぐ覚えられるの?
増田 振りにもよりますけど、今回なかなか覚えられなくて、やっぱり年かなと思いますよね。
テリー でも、声は出てるよね。昔と変わらず。
増田 うーん、どうかな。努力は一生懸命してますけど。週4日ぐらいは自分でボイストレーニングして、3カ月に1回は先生のところに行って。もう発声をやってることで自信を持ってステージに立てるっていう状態を、いつも作っておかないと怖いので。
テリー 体も鍛えてる?
増田 やっぱり立ち姿も美しくありたいし、体幹を鍛えてないと声も出ないから、今でも30年前からやってるクラシックバレエを続けてますね。
テリー エラいなぁ。
増田 例えばピンク・レディーのダンスも、あの頃を知ってる人たちはみんな踊れるわけだから、「ケイちゃん、昔のほうが足が上がってたな」とか思われたら悔しいじゃないですか。だから「昔よりもバージョンアップしてる」「あの2人がこんなに頑張ってるから、私も頑張らなきゃ」って思ってもらえるようなコンサートでないと、やる意味がないと思ってます。
テリー 今回はソロライブもあるの?
増田 はい。9月2日にビルボードライブ横浜で。
テリー じゃあ、また「ケイちゃん」の声援が飛ぶね。60歳過ぎて、なかなか“ちゃん付け”で呼んでもらえる人って少ないから。
増田 でもね、この2年半はコロナ禍でコンサートもできなくて、最近は誰からも「ケイちゃん」って呼ばれてないんです。仕事場では「増田さん」とか「ケイさん」だし、友達は「ケイ」だから。
テリー ああ、そうか。
増田 だから、テリーさんみたいに「ケイちゃん」って呼んでくれる人って周りには少ないし、「ファンの人だけだったんだ」って最近気がついたんですよ。ぜひライブに来て、「ケイちゃん」って呼んでくれたら最高に幸せです。
◆テリーからひと言
俺、ケイちゃんには、また前みたいにドラマに出てほしいんだよな。「ママはピンク・レディー」なんてどう? これからもいろんな魅力を発信していってよ!