原巨人が今オフ、2年契約が切れる楽天・田中将大の獲得に乗り出す可能性が浮上した。
在京スポーツ紙デスクが言う。
「原監督は7月20日のオーナー報告で、今季は『自軍選手で乗り切る。そういう戦い方をします』と宣言した。チームが低迷しているのに、不思議です。心は来季ということなのでしょう。その目玉がマー君です」
ヤンキースから8年ぶりに日本球界に戻った田中だが、数字上はパッとしない。昨季の勝ち星はわずか4勝(9敗)だったが、防御率は3.01とまずまず。今季は一発病で苦しい登板が続き、5月10日のロッテ戦(楽天生命パーク)で4勝目を挙げて以降、6連敗。やっと5勝目を飾ったのは、7月16日のオリックス戦(楽天生命パーク)だった。だが球速も戻りつつあり、随所に田中らしい投球は繰り広げている。
田中はアメリカの新型コロナウイルス感染症拡大の状況を考慮し、日本球界復帰を決意した一面もある。もちろん「世界一となってチャンピオンリングを手にする」と、メジャーリーガーとしてワールドシリーズを制する夢を諦めたわけではない。楽天で2年間プレーした後は、再び渡米する意向を持っているはずだ。
だが、田中が最も戻りたい古巣ヤンキースは今季、絶好調。今や戻るポジションはない。米球界78勝の実績があるため、4、5番手の先発投手として獲得に乗り出すチームはあるかもしれない。それでも、今季の年俸9億円で契約を結ぼうとするほどの潤沢な資金を持ち、かつ優勝争いできるチームはまずない。
現状なら、日本球界に残留するのが妥当だろう。だが年俸9億円の投手にしては、コスパが悪すぎる。楽天が契約延長に二の足を踏む可能性は高い。
しかも現在、田中は家族を東京に残し、仙台で単身赴任の生活を続けている。楽天には愛着はあるものの、在京チームでのプレーを希望しても不思議ではないのだ。
その第一候補が巨人だと、前出の在京スポーツ紙デスクが内情を明かす。
「ヤクルトも候補ですが、今季も日本一になれば、選手の年俸がまた跳ね上がる。さすがに9億円は無理ですね。それに比べ、巨人は年俸6億円の菅野を始め、ダウン組が続出し、資金が浮く公算大です。実績十分な田中なら戦力的にチームの大きな柱になり、その存在は若手投手にいい影響を与える。年俸9~10億円なら支払える額でしょう。原監督が考えそうなことです」
故障が多い菅野には、もう多くは望めない。原巨人がマー君をチーム再建の柱に据える可能性は、十分にあるのだ。
(阿部勝彦)