テリー お金はいくら貯めたの?
小日向 いくらだろう。70万円ぐらいだったような気がします。それで、ちょうどお姉ちゃんも再就職のタイミングだったので一緒に東京で暮らし始めました。
テリー それまでお姉ちゃんは何やってたの?
小日向 もともと看護師だったんですけど、海外にワーキングホリデーみたいなので行ってて。ちょうど帰ってきて、また東京で看護師として再就職しようって時だったんです。お金がなかったので、4畳半にロフトがあるだけのおうちを2人で借りました。
テリー 2人で住むにはちょっと狭いかな。
小日向 そうですね。お風呂もシャワーしかなかったです。
テリー 例えば俺だったらね、ゆかさんぐらい可愛かったら六本木とか歌舞伎町のキャバクラへ行って「男を手玉に取って、もっと稼いでやろう」とか思うような気がするんだけど、そういうのは?
小日向 思わなかったです。子供の頃、母親がスナックを経営していたので、そういうお仕事に抵抗はないんですけど。小学校2年生ぐらいの時にお手伝いに行ってたんですよ。
テリー お母さんのスナックに?
小日向 はい。でも、お客さんがみんなけっこうケチだったんです。
テリー アハハハハ。どういうふうに?
小日向 例えば、私の目の前に両手のグーを出して「どっちに500円が入ってるか」みたいな遊びがあるじゃないですか。
テリー ああ。大人が子供相手によくやるよね。
小日向 それで小学2年生、8歳の私が「こっち」って言うと、「残念。どっちにも入ってません」ってダマされたりとか。そういうの嫌いだったんです(笑)。
テリー そうか。じゃあ、六本木や歌舞伎町に行ったところで、どうせケチな客ばっかりで、大して儲からないだろうと。
小日向 それに田舎者としては、やっぱり東京はちょっと怖いなっていうイメージもありましたね。
テリー 東京では、どんなバイトしてたの?
小日向 上京してからもしばらくはイベントコンパニオンです。可愛い格好をしてカメラマンさんに撮っていただいたり。レースクイーンさんみたいなお仕事って、SNSのフォロワーがいないとなかなかやれないんですよ。
テリー そうじゃないと、どういう仕事があるの?
小日向 ティッシュ配りとかですね。それで、それまでやったことなかったんですけど、SNSを開設して、自分で撮った写真とかを載せるようになって、ちょっとずつ可愛い衣装を着たり。そのうち、写真を撮ってもらえるお仕事が増えてきて。そこから個人撮影会をやったり、オーディションに参加できるようになりました。
テリー 自力でファンを増やしたわけだね。そうすると芸能事務所からも声がかかったりするの?
小日向 そうですね。SNSのダイレクトメッセージで3社ぐらいから声をかけていただきました。
テリー ゆかさんは「有村架純ちゃんに似てる」ってことが話題になったでしょう。それはSNSで言われ始めたの?
小日向 でも、最初に言われたのは野菜直売所のおばちゃんなんです。
テリー 「あなた野菜に似てるわね」って?
小日向 アハハハハ。いえ、「朝ドラ出てた?」って。
テリー あ、本物だと思われたんだ?
小日向 本物だと思われたのか、冗談半分だったのかわからないんですけど、それがすごくうれしくて、ちょっと洋服とかメイクを寄せて撮った写真をたまに投稿するようになって。それからSNS上でも似てるって言っていただけることが増えていきましたね。