芸能

救急隊出動!篠原ともえ「深夜の薬物大暴れ」報道が生んだナゾ/壮絶「芸能スキャンダル会見」秘史

「とにかく、お家に帰りたいと思ったんです。だから廊下に出て『日本に帰りたいです』って言うと、スタッフが出てきて『どうしたの?』と…」

 CD発売キャンペーンのため、台湾を訪問していた「シノラー」こと篠原ともえ(当時21歳)が、宿泊先のホテルで未明に大騒ぎを起こし、緊急入院。逃げるように帰国したとして、台湾の政府系新聞を含めた各メディアは、大々的に報道した。

 それを受け、帰国した彼女が羽田空港で緊急記者会見を開き、「急性ストレス反応」と書かれた診断書を公開しながら、報道を全面否定──。01年3月6日の出来事である。

「篠原ともえが緊急入院!!」との大見出しで第一報を報じた現地の夕刊紙「中時晩報」によれば、篠原は3月5日午前2時ごろ、ホテル10階で大声で騒ぎ、宿泊客に「静かにしろ!」と注意された。ところがその後も騒ぎ続け、ホテル従業員が篠原をロビーへ連れて行くも収拾がつかない。そこでホテル側が「991(日本の119番)」に通報。消防局の華山分隊が出動したという。だが、篠原は病院への搬送を拒否し、スタッフをともなって「内湖国泰診所」に入院。そして「36時間後、慌ただしく帰国した」というのである。

 一報が出るとすぐに、「聯合報」「自由時報」などの台湾メディアが、相次いで後追い記事を掲載。政府系新聞「中国時報」に至っては「驚爆醜聞 深夜に薬物 素っ裸でホテルで大騒ぎ」と、衝撃的な見出しで報じ、真意を巡って日本でも大騒ぎに。

 ところが、そんな最中に帰国した篠原は口元に大きなマスクをつけている以外、いつも通り、いたって元気で、

「夜、スタッフの手を引っ張って『日本に帰りたいよ~』って、ホテルの廊下に出て大声を出したのは憶えています。でも、ビールは飲んでいません。台湾のテレビに出て、通訳が入っても言葉が通じなくて、なんか面白いこと言わなきゃいけないと思っているうちに、悲しくなっちゃって。こういうのを情緒不安定と言うんですよ」

 なんともとあっけらかんとした語り口である。マスクについては、

「このマスクがあると、落ち着くんです。だから寝る時も、いつもしているんです」

「お守り」であると強調するも、マスクをズラした瞬間、欠けた前歯がチラリ。

 ダメもとで、一報を報じた台湾の「中時晩報」に直接、電話で取材すると、こう答えた。

「分隊の隊員からも、彼女の部屋にビールの空き缶が散乱していたという証言を得ていますし、記事に書いたことが全て。前歯が欠けている? さぁ、それ(大暴れして抜けたか)は、わかりませんね」

 神経内科医によれば「急性ストレス反応」で、1日で退院することは稀だそうで、かえって謎が深まる会見となったのである。

(山川敦司)

1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。

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