デビューが決まったのに歓迎されないアイドルグループも珍しい。
近藤真彦のバックダンサーから嵐、タッキー&翼のバックダンサーを経て、苦節10年。10月28日にジャニーズ事務所初の配信シングルで、全世界メジャーデビューする「Travis Japan」のことだ。
ケチのつきはじめは、過去にジャニーズ事務所の内紛劇を暴いてきた「文春砲」。ジャニーズ事務所が公式発表する前日に「文春オンライン」によって、全世界メジャーデビューが報じられ、その後、本人たちが米国で武者修行中で国内不在のため、華々しい記者会見のない報道各社への一斉配信での公式発表となった。
しかもジャニーズファン特有の「推しのグループはワタシが買い支えして育てる」という購買意欲をかき立てられない、配信シングルデビュー。ファンにとっては三重苦の「ガッカリ」だったようで、SNS上では若き副社長タッキーへの恨み節を綴るファンすら見受けられた。
そんな事務所のぞんざいな扱いには事情があるようだと、音楽関係者が明かす。
「ジャニーズ事務所だけの問題ではありませんが、新型コロナの影響で、各アーティスト、バンドのドームツアーのチケットが売れないのです。チケットが売れないということは、物販の収益も見込めない。これまでは地方在住のファンがライブのチケットを買い支え、物販を大量買いしていたのですが、同居家族や職場から『東京や大阪からコロナを持ち帰ってくるな』と猛反対され、泊りがけでライブに出かけるのを断念せざるを得ない。これまでドームを連日満杯にしてきたアーティストも、苦戦しています。長年、ジャニーズの看板アイドルのバックダンサーを務めてきた彼らの集客力は、よく言えば未知数、悪く言えば全く期待できない。グループ平均年齢25.4歳と年も取りすぎで、ジャニーズJr.との共演も難しい。最もリスクを負わない形での配信デビューとなったようです」
とはいえ、全世界でデビュー曲がヒットし、話題性をひっさげて凱旋帰国となれば、新型コロナの逆風に負けず、大きな会場を観客で埋め尽くすことも可能だろう。