テリー 中学に入る時って、また環境が変わるよね。
似鳥 そうですね。だから、最初だけちょっと教室に入れたんですけど、またすぐに入れなくなって。中学では教室に入れない人が通うクラスみたいなところに通ってました。
テリー それは何か原因があったの?
似鳥 出席をとる時とかに、「ハイ」って返事をするのは頑張ったんですけど、それが少しずつツラくなって。返事をするだけで緊張して、お腹が痛くなるんです。ほんとに小さいことなんですけど、そういう1つ1つに毎回緊張して、苦しくなってっていうのが続きました。
テリー そういう状況をご両親はどう言ってたの?
似鳥 小学生の時に離婚して、母親だけだったんですけど。
テリー じゃあ、福岡に引っ越したのはお母さんの事情だ。
似鳥 はい。母親の実家が福岡にあって。
テリー じゃあ、お母さんは何て言ってたの?
似鳥 学校に行けない時も、強く「行きなさい」って責めることはあんまりなくて。「教室に行けない人のクラスに行くんだ」って自分で決めた時も納得してくれて、すごく助けられてました。
テリー その中学には沙也加さんみたいな子が多かった?
似鳥 私の通ってた中学には、性別も学年もバラバラなんですけど、5人ぐらいいました。
テリー その子たちとはうまくやれたの?
似鳥 みんな人見知りとかなので、しゃべることとかあんまりなくて。普通の大きさの教室に、机が5個あるみたいな感じでした。
テリー 隣の席に誰かいるっていうわけじゃないんだね。で、それぞれが自習して。ということは、絶対に登校しなきゃいけないってわけでもないんだ。
似鳥 そうですね。でも、高校に行くためには出席日数がいるって言われて。
テリー ああ、そういうことか。なんで高校に行きたかったの?
似鳥 なんだろう。高校は1年で中退したんですけど、やめてから考えましたね。「もしかしたら、無理して高校に行く必要はなかったのかな」とか「自分が人に馴染めないことを、もっとちゃんと理解してたら、他の道があったのかな」とか。
テリー 別に高校に行くことが正義ではないもんね。
似鳥 はい。
テリー で、高校を1年でやめて?
似鳥 いろんなバイトをしてました。
テリー でもさ、バイトって学校より厳しいじゃない。「ちゃんと挨拶しろ」とか「もっとコミュニケーション取れ」とかさ。それは苦しくなかった?
似鳥 あんまり人に会わなくていい、自分に合ったバイトをやってました。ファミレスのキッチンとか、工場でアイスクリームを作ったり。
テリー そういう生活の中でさ、楽しみって何だったの?
似鳥 私は音楽を聴いたりするのが好きで。その時は「UVERworld」さんっていうバンドが好きでした。
テリー そうかそうか。ライブに行ったりもした?
似鳥 行ってました。お金がかかるので、行くたびに「アルバイト頑張らなきゃ」とか思ってましたね。