ジャーナリスト・有田芳生氏も現在の教団の窮状について告発する。
「安倍さんの事件以降、献金が集まらなくなっている実態がある。しかし、教団としては、日本から韓国への送金のノルマがある。総工費300億円で来年の5月に完成を予定している『天苑宮』のために一家庭『183万円』(文鮮明氏と韓鶴子氏の年齢を足したとされる額)の特別献金を求めるなど、カネカネ! と必死に集金しようとしている。反対に言えば、それだけカネが集まらなくなってきたということでしょう」
献金が減れば、困るのは日本の教団ばかりではない。
「悲鳴をあげるのは韓国の教団本部です。日本で集められた献金は韓国に送金されているが、その額は99年から9年で4900億円などと一部で報じられている。教団本部は韓国に複数の関連会社を所有しているが、その資金源の7割以上が日本からの送金で占められているのです」(社会部デスク)
現状での韓国への上納金について、鈴木エイト氏が説明する。
「かつて、献金ノルマは年間600億円ほどあったが、近年は徐々に減り、その半額程度にまで縮小している。それでも、教団の内部情報によると今でも数百億円が送金されている。何より教団本部はカネが滞ることを恐れています。『天苑宮』の資金調達のために自前の資産を売り出し始めているとも。教団はリゾート地などに複数の優良不動産を持っているが、ゴルフ場なども手放すのではないかと言われている」
しかし、献金減で壊滅的打撃を受けるのは、もっぱら日本の教団のほうなのだ。
「旧統一教会の口座から韓国の孝情グローバル財団(旧家庭連合宣教会財団)の口座に毎年数百億円が振り込まれている。現在も数百億円の現金が保管されていると言われています。現時点で、日本の教団には80~100億円程度の運転資金しか残っていないと推察され、毎月の人件費、施設維持費などがかさみ、数カ月でジリ貧となり枯渇する可能性が出てきているのです。そのため世界本部に運営資金の支援を要請する事態に追い込まれるかもしれません」(鈴木エイト氏)
現在、日本にある教団施設は全国に約300カ所。この先、献金不足が続けば、施設の維持が困難になるのは必至だというのだ。
有田氏はこの影響について警鐘を鳴らす。
「教団は海外にまだ何百億円というカネを蓄えている。枯渇するとすれば数カ月よりもっと長いスパンになるのではないか。それでも、日本から献金が行かなくなると徐々に先細りになることは確実です。この構造が壊れつつあり、韓国の教団本部は非常に困ることになるのは間違いない」
金庫が底をつく前に金策に東奔西走する、教団の必死の様相が浮かび上がるのだ。