国論を二分する中、9月27日に強行開催された安倍晋三元総理の「国葬儀」。会場となった日本武道館の周辺では「国葬反対!」を叫ぶデモ隊と警護にあたる警察隊とが激しく揉み合う一幕も見られたが、このような根強い反対の声の根底に「旧統一教会(世界平和統一家庭連合)問題」が横たわっていることは言うまでもない。
そんな中、東京・渋谷区にある旧統一教会本部では、国葬に合わせて「半旗」と「弔旗」が掲揚された。半旗とは日の丸を少し下げて掲げる方法で、弔旗は日の丸に黒布をつけて掲げるものだ。岸田文雄総理に近い岸田派の有力幹部は、怒りも新たにブチまける。
「午前中は半旗が掲げられていたが、午後になって弔旗に変えられた。教会側は『スタッフが勘違いした』と説明しているようだが、半旗の掲揚は勘違いでは済まされない、重大な意味を含んでいる。実は日本政府の慣例では、半旗は他国への弔意を示す場合に掲げるもので、弔旗は自国への弔意を示す場合に掲げるもの、とされている。つまり、半旗の掲揚からは『旧統一教会の本拠地はあくまでも韓国であり、日本は本国への送金のためのカネヅル』という、教会側のホンネが透けて見えるわけだ。実際、旧統一教会は日本人信者を洗脳して巻き上げた多額のカネを、本国に貢いできた。日本人もバカにされたものだ」
さらに別の自民党関係者も、憤懣やるかたなしの様子で、
「旧統一教会がカルト教団であることに、もはや疑いの余地はない。そして安倍さんは、そのカルト教団と自民党を繋ぐキーマンだった。その意味で、安倍さんの責任は万死に値すると言っていい。だが、半旗と弔旗の勘違い掲揚でマスコミの注目を煽り、国葬をも宣伝に利用しようとする姿勢は、まさに悪辣。しかも報道各社から、国葬当日の黙祷について問われた教会側は『個別でやった人はいるかもしれないが、全体ではしていない』と答えている。しかし、霊感商法にせよ献金強要にせよ『全ては信者個人がやったこと』『教会としての組織的な関与はない』は、彼らの逃げの常套句。いくら自民党が縁を切ろうとしても、信者は今後も抱きついてくるだろう。ありがた迷惑もいいところだ」
カルト教団の標的とされるのは、国民とて同じ。かくなる上は、宗教法人としての認証を取り消し、解散命令を突き付ける以外、根本的な解決策はないのではないか。