岸田文雄総理は11月13日にカンボジアのプノンペンで開かれた東アジアサミットで「東シナ海では、中国による日本の主権を侵害する活動が継続、強化されている」と、中国を名指しで批判した。政治部デスクが言う。
「旧統一教会問題に加え、辞任した山際大志郎前経済再生相と葉梨康弘前法相に続て、寺田稔総務相、秋葉賢也復興相の辞任ドミノ危機が待ち構えており、岸田総理が任命責任を問われるのは必至。そこで外交成果をアピールするため、中国批判のパフォーマンスまで飛び出した」
ところが岸田総理の中国批判は「口だけ」。なにしろ中国人留学生を増やし、カネをバラ撒くよう指示を出しているのだから、とんだ二枚舌だ。明かすのは、政治部記者である。
「岸田政権と財務省、文科省は日本の学生、大学院生への支援として、出世払いの奨学金制度を検討中ですが、話になりません。今年10月の専門家会議で出された出世払いの返済義務の基準案は『年収146万円』。11月の修正案でも『年収330万円』と、出世払いなど名ばかり。事実上、全ての貧困奨学生から返済を迫るつもりです。ところが中国人留学生には渡航費用も支援した上で、国立大学なら学費タダ、私立大学なら3割減免。さらに語学学校生活や大学院生にも、返済義務のない13~15万円がバラ撒かれています」
この論外の日本人冷遇、中国人バラマキ政策は、08年に当時の福田康夫総理が打ち出した「留学生30万人計画」に遡る。福田内閣は300億円を投じて、主に中国からの国費留学生を招き入れた。毎日毎日、日本の領海、領空を侵犯している中国に、こんな売国政策を続けるとは、いったい岸田総理の頭の中はどうなっているのか。
「岸田総理は今年8月、中国人留学生を30万人以上に増やすよう、永岡桂子文科相に命じました。財務省も文科省も『日本の奨学金制度を拡大すると、日本国内の貧富の差が拡大する』と言いますが、詭弁もいいところ。中国からの国費留学生など、中国共産党幹部などの富裕層ばかり。コロナ禍と物価高騰で、子供の塾やお稽古事通いをやめた家庭もあります。私たち日本人が子供の教育を諦めて納めている税金は日本の子供達に使われず、中国共産党幹部や富裕層の子供たちに事実上、『上納』されている形です。岸田総理と財務省がやっているのは、日本国民の『総貧困化計画』。外遊先での中国批判なんて『口だけ番長』ですよ」
前出の政治部記者は、そう吐き捨てて憤るのだ。
岸田総理が中国人留学生の受け入れを増やすと決めた同時期、アメリカのバイデン大統領は年収12万5000ドル、日本円にして年収1700万円以下の奨学生には1万ドル(130万円)を免除、低所得者層にはさらに2万ドル(260万円)の免除を決めた。
年収わずか146万円の非課税世帯の自国人から奨学金を取り立てる岸田総理と財務官僚ほどの「守銭奴」は、G20首脳や実務者の中でも、類を見ない存在だろう。