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沖縄でバーを経営していますが、新型コロナのこともあって、大変です。アルコール業界は政治にないがしろにされてきたのに、急に国税庁が、若者を対象に日本産酒類の需要喚起に向けた提案を募るコンテスト「サケビバ!」を開催。さらに継続的に何かやっているようです。これ、お酒を扱う者としてはありがたいのか、微妙な中身です。
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これはメディアというか、評論家やジャーナリスト、インフルエンサーといった人たちが大いに注目している問題です。ひろゆきさんが真っ先に「日本酒の販売促進って国税庁がやる仕事?」とコメントしていたり、ロバート・キャンベルさんが「カツカツのヤング世代に『酒をもっと飲め!』と刷り込む前に『アルコール離れ』で実現する健康寿命の延伸、労働生産性上昇、医療費削減等で財源稼ぎにフォーカスした方がよくない?」と嘆いたり。
もっと言えば、世界中から「日本は頭がおかしいんじゃないか」とバカにされている。私もこれについて「何もよりによって酒税の管轄の省庁がこんなイベントを主催するのは我田引水的に見えるし、若者の健康よりも酒税がほしいと批判が集まるのに」とコメントしたことがあります。
要するに財務省、頑張っています。でも、国民には浸透してない。そもそも知っていましたか、このキャンペーン‥‥という話で。
国によるキャンペーン告知のウェブサイトには「酒類業界の活性化や課題解決に資するプラン」と題して〈日本産酒類(日本酒、焼酎、泡盛、ビール、ウイスキー、ワイン、リキュールなど、酒の種類を問わない)に関連するもの〉と書かれてあります。
その例としては〈若年層の需要喚起に向けた新たなサービスやプロモーション手法〉〈コロナ禍における新しい生活様式や嗜好の変化を踏まえた製品やデザインの提案〉など。
アイデア募集は既に終了し、新たな展開を見せているようですが、どうも先行きがわからない。
陳情者さんは優しいですね。お酒を扱う仕事をしていて、国がお酒もっと飲め飲め、と打ち出したら、ありがたいと考えそうなのに、こうも言っています。
「お酒は嗜好品です。飲みたい人が飲むのが正解だし、食事に合わせて楽しむもの。体を潤すために飲むものでもないし、飲みたくない人にムリヤリ飲ませるのはご法度です。コンパとか合コンとか、大学生が新歓でガブガブ飲む風潮もありましたけど、そんなのは昔の話。飲み過ぎは健康に悪いし、お酒による犯罪、失敗は世界中でも問題視されているんです」
さて、このキャンペーンの目的のひとつは、こう書かれていました。
〈新型コロナウイルス感染症の影響による外食産業の落ち込みに伴う酒類消費の大きな減退に対応するため、酒類事業者による販路拡大、消費喚起につながる取組を支援します〉
ひたすら時短や休業を強いるだけの凡策で全国の飲食店を崖っぷちへと追い詰め、さらには廃業に追い込んできたのは国ではなかったのですか。これまでさんざん飲食店を縛り上げてきた帳尻合わせがコレなのだとしたら、全くの噴飯モノでしょう。役人はお酒のことをわかっていませんね。
宮崎謙介(みやざき・けんすけ)◆1981年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、日本生命などを経て12年に衆院議員に(京都3区)。16年に議員辞職後は、経営コンサルタント、テレビコメンテイターなどで活動。近著に「国会議員を経験して学んだ実生活に即活かせる政治利用の件。」(徳間書店)。