2億5000万円が、いつの間にか16億6000万円に──。
9月27日に日本武道館で強行する安倍晋三元総理の国葬にかかる経費の概算を、政府が発表した。
元々公表されていた2億5000万円は、会場の設営費や借り上げ料金のみ。それに外国からの要人の警備費と接遇費などが追加されたことで、野党は猛反発した。自民党関係者も顔をゆがめて、
「まず国葬ありき。野党から『全国民が反対しても、閣議決定したら、税金を使って国葬をやるのか』との質問に対し『内閣として閣議決定すれば、行うことになる』と答えています。多くの国民が反対していることで、かかる金額を小出しにして、どうにか逃れようとしているのは明らか」
それどころか、岸田文雄総理は、
「最終的に、外国要人の数がどのくらいになるかによって、接遇費、それに対する警備費は変わってくる」
と、さらなる上乗せを予告。国民の血税ムダ使いをモノともしない厚顔ぶりを晒している。政治ジャーナリストも憤る。
「コロナ禍での景気落ち込みに加え、ロシアのウクライナ侵攻などの影響による急激な物価高が、国民生活と企業を大いに苦しめている。まず救うべきは国民であり、企業なのに、今この状況で、これだけ怒りを買う国葬などやっている場合か、と。森友事件をめぐる改ざん問題で、財務官僚だった赤木俊夫さんを自死に追いやり、加計学園疑惑についても国民が納得できる説明をせず、まんまと逃げ切りを図った。安倍元総理の功罪をロクに検証することなく、あやふやで姑息な発表の仕方で、巨額の税金を投入する。そこに国民は怒っているのです」
政界関係者があとを引き取る。
「国民の反対運動、世論を見て、昭恵夫人はどう思っているのか。ここはもっと早く、昭恵さんが『国葬はもうけっこうです』と言えば、コトは動いたかもしれない…」
岸田政権にはもはや何を言っても、国民の気持ちを逆撫でする「自分たちの都合」しか頭にないのだろう。