来年3月末の終了が発表された朝の情報番組「スッキリ」(日本テレビ系)。06年4月の開始当初は「総合司会が加藤浩次!?」と波紋を呼んだものの、視聴率は上昇。以来、人気と共に番組発の事件など話題を振りまいてきた。BPO沙汰から加藤の乱、さらに歴代女子アナの百花繚乱のハプニングを振り返る。
11月11日、日本テレビは番組終了の理由について報道各社へ文書で発表。「テレビを取り巻く環境やニーズの変化に対応するため」としたが、内部に詳しい芸能記者は「視聴率低迷が決定打となった」と前置きして、こう続ける。
「平均視聴率7.5%を記録して、初めて民放の横並び番組のトップに立ったのが12年度。19年には歴代最高となる10.5%を獲得しました。しかし現在は3~4%ぐらいで、9%前後の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)が独走状態。昨春スタートした『めざまし8』(フジテレビ系)が追い上げをみせていることもありますが、吉本芸人を大量投入して独自路線を貫く『ラヴィット!』(TBS系)にも話題性ではかなわない状態です」
同時に、これまでたびたび“事件”を起こしてきたことも番組終了を加速させた要因とする見方もある。
「『スッキリ』には、2年連続で放送倫理・番組向上機構(BPO)から放送倫理違反の指摘が入っています。昨年はアイヌ民族についてのVTR中、出演していた芸人が差別表現と取られる発言をして大問題に発展。後日、検証と再発防止策について30分にわたって放送しました」(芸能記者)
そしてもう1件は、21年1月に放送された愛犬急死事件。ペットサロンに預けられた犬がシャンプー後に急死した問題を取り上げたが、放送内容が事実に反するとして、ペットサロン経営者が名誉を侵害されたと申し立て、今年6月、審理すると決まったのだ。
今年はこれらの他にも、波紋を呼んだ放送がある。
「記憶に新しいのは4月25日、部員への暴行問題が取り沙汰されていた私立秀岳館高校サッカー部の段原一詞監督が生出演し、釈明と謝罪をしましたが、内容に虚偽があったことがすぐに発覚。加藤浩次(53)ものちの放送で監督のウソに加担してしまったことを吐露しつつ『ウソをつきに来てたんだと思うと納得できない』と憤慨したほどです」(スポーツ紙芸能担当記者)
その加藤で思い出されるのが“加藤の乱”だろう。19年6月に発覚した吉本興業の所属芸人たちによる「闇営業問題」で、上層部の対応を痛烈に批判。番組を“ジャック”して「今の経営陣が変わっていただかないと、俺は吉本興業を辞める」と吠え、結局「専属エージェント契約」という形で吉本への残留が決まった。しかし‥‥。
「エージェント契約も昨年3月末で解除となり、自分で新会社を設立するハメになった。結局、あの“加藤の乱”こそ『スッキリ』終了の最も大きな要因とする向きもあります。吉本という大きな後ろ盾はライバルの『ラヴィット!』についたわけで、加藤は丸腰になってしまいましたからね」(スポーツ紙芸能担当記者)
加藤は11月11日の放送で「あと5カ月、俺、何言うかわかんねえよ」と発言。来年3月までに、もうひと波乱起こるかもしれない。