中日の与田剛球団エグゼクティブ・アドバイザー(EA)が今シーズン限りで退任すると、球団が発表した。
与田氏は18年のシーズン後に中日の監督に就任して、3年間、指揮を執った。今シーズンはEA職に入り、グラウンド外からチームに関与していたが、球団関係者は、
「これも含めて、球団の人事は混迷している」
と明かす。続けて、
「与田EAの退任は表向き任期満了ですが、本当は監督の契約が今シーズンまで残っていた。ところが昨シーズンオフ、急転直下で立浪和義新監督が誕生。居場所を与えなければいけない球団は慌ててポストを作り、なんとか矛を収めてもらったわけです。立浪監督就任は、与田監督続投の球団案を大島オーナーが土壇場でひっくり返して決まったもので、誕生時は多くの選手、関係者が寝耳に水の状況だった。与田監督もそういう意味では、振り回された被害者です」
チームはここ10年で3位以上のAクラスに食い込めたのは、与田監督が指揮官だった20年の1回だけ。今シーズンもリーグ最下位に沈んでいる。
「与田EAはNHKの中継にゲスト解説出演するなど、評論活動も行っていました。投手陣の整備はうまくやれたので、あとは立浪監督が花を咲かせるかどうか…」
先人のバトンを落とさずにつなぐためにも、来シーズンの立浪監督の責務はいっそう大きくなる。