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〈“ジャインツ愛”対談〉角盈男×岡崎郁「巨人再生プランを授けよう」(3)坂本の一塁コンバートは?

岡崎 昨年は岡本(和真)が30本塁打を放ちましたけど、前年の39本より伸びませんでしたし、坂本(勇人)もケガで成績を落とした。レギュラー陣で前年よりよかったのは、8月中旬から岡本に代わって4番に座った中田(翔)ぐらい。

 彼のスイングは恐ろしいわ。俺がピッチャーだったらビビるかもよ(笑)。

岡崎 今年は岡本と中田で4番争いになるんでしょうけど、角さんはどうみてます?

 たとえ開幕から10試合ノーヒットでも、4番は岡本で不動にしてほしい。

岡崎 僕もそう思います。

 1番・吉川(尚輝)、2番・坂本、3番・丸(佳浩)、4番・岡本、5番・中田。ここまでは固定でいいんじゃないかな。

岡崎 そして6番ウォーカー、7番がもう一人の助っ人で、8番がキャッチャーという感じですかね。

 今季、坂本は一塁にコンバートされないかな?

岡崎 う~ん、されないと思いますけどね。

 年齢を重ねてくると、ショートってキツくない?

岡崎 僕はショートからサードにいきましたけど、一塁に投げるのはサードのほうがキツかった。よく、守備範囲が狭くなったからサードへコンバートなんて言われますけど、一塁への距離はサードのほうが長いし、肩がよくないとダメなんです。

 まあ、坂本には元ヤンキースのジーターのようになってほしい。ショートであれだけの成績を残しているから価値が高い。

岡崎 コンバートはされないでしょう。もしショートが守れなくなったら引退じゃないですかね。あと、捕手はどうみてます?

 大城(卓三)は配球の勉強と、早めにミットを構えるケースが多くて、打者に察知されやすい感じがする。元ヤクルトの古田(敦也)のように、打者にコースをわからせないような構え方をしてほしいね。「空振り三振は投手冥利、見逃し三振は捕手冥利」と言われるように、見逃し三振を奪う手法も勉強したほうがいい。野村(克也)さんを筆頭に、名捕手と言われた方々は一クセも二クセもあったでしょ(笑)。その点、大城は正直すぎるかな。

岡崎 今は小林(誠司)が“リリーフ捕手”ですけど、昔はどの球団も捕手は一人でしたもんね。

 巨人・山倉(和博)、阪神・若菜(嘉晴)、中日・中尾(孝義)、ヤクルト・八重樫(幸雄)、広島・達川(光男)だったね。

岡崎 去年、規定打席に到達した捕手は、セ・パ両リーグで中日の木下(拓哉)だけでしたけど、捕手がたびたび代わっていいのかな。巨人が強い時代には森(祇晶)さん、山倉さん、村田(真一)、阿部(慎之助)など、絶対的な捕手がいたじゃないですか。レギュラー捕手がいたほうが安定するように思えます。

 投手からすると、最終的に自分が信頼できるのが、いちばんいい捕手なんだけど、理想は打の大城が先発して、守りの小林が抑えかな。とにかく大城にはいやらしいキャッチャーになってほしいね。

角盈男(すみ・みつお)1956年生まれ。鳥取県出身。76年ドラフト3位で入団。78年に新人王を獲得し、81年は日本一に貢献するなど、炎のストッパーとして活躍した。通算38勝60敗99セーブ。引退後はヤクルトと巨人のコーチを務めた。

岡崎郁(おかざき・かおる)1961年生まれ。大分県出身。79年ドラフト3位で入団。86年に遊撃手の最高守備率(当時)を記録するなど内野手として活躍。93年には第58代4番打者として起用された。引退後は巨人のコーチや二軍監督も務めた。

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