東京や大阪など全国で相次いでいた強盗事件で「ルフィ」を名乗っていた、指示役とされる渡辺優樹容疑者が、フィリピンにいることが、1月27日に判明した。首都マニラにある、入国管理局の収容施設に拘束されていたのだ。
その後、渡辺容疑者には、フィリピンで21年にオンライン詐欺や恐喝などの疑いで逮捕され、出国禁止命令が出されていたことや、収容所でワイロを渡して携帯電話を手に入れ、連続強盗事件の指示出しをしていた可能性など、その巧妙な悪行が明らかになりつつある。
日本側は警視庁が逮捕状を取っており、フィリピン側と身柄の引き渡しについて協議されるが、怒り心頭なのは主人公の「ルフィ」をかたられた人気漫画「ONE PEACE」のファンだ。エンタメ誌ライターが語る。
「原作は連載から25年が経過し、昨年夏から最終章に突入している。ファンの熱がますます高まる中での、主人公とは真逆な『偽ルフィ』による凶悪な犯罪に『風評被害が起きたらどうする!』『原作内容が世界に勘違いされそう』という怒りが噴出しているのです。なにより『ONE PEACE』ファンの子供を持つ親は、戸惑っているようで…」
ただ、話題性への影響でみれば、こんな指摘もある。
「昨年8月6日に公開された劇場版は、1月29日に終映。興収197億円を突破し、国内の映画興収ランキングで歴代8位となる記録を作りました。ちなみに、9位は『ハウルの動く城』で196億円。200億円には届きませんでしたが、今回の事件に絡んで、冷やかしで劇場に足を運んだ客もいるようで、もしかしたら8位に食い込む最後のひと押しになったのかもしれません」(映画ライター)
渡辺容疑者も、日本国内のこんなところまで「ルフィ」の影響力があるとは思っていなかったのではないか。