1月28日、中国疾病予防コントロールセンター(CDC)は、中国の旧正月にあたる春節期間(1月20~26日の1週間)に新型コロナで死亡した人の数が、前週の1万2658人から6364人に半減したと発表した。
内訳は、基礎疾患による死者が6075人、呼吸不全による死者が289人。中国国内では春節期間中に延べ3億800万人に上る大規模な人の移動があったとされているが、中国メディアは「すでに多くの人が感染し、集団免疫が形成されている。春節の大型連休中に感染爆発は起きなかった」と、国内外にアピールしている。
当サイトではこれまで幾度となく、中国のコロナ実態に関する習近平の度し難いウソつきぶりを暴露してきた。
当然ながら、習近平国家主席の「今年のウソ始め」とも言える、今回の大本営発表を信じる者は、皆無に近い。公衆衛生学の専門家も、次のように指摘している。
「まず、公表された死者数は医療機関だけのもので、自宅などでの死者数はカウントされていません。したがって、実際の死者数は公表数よりはるかに多いと考えなければならない。しかも、春節期間中に都市部から感染者が流入した農村部なども含めて、本格的な感染爆発は春節期間が終わった後に起こってくるのです」
事実、イギリスの医療関連調査会社として有名なエアフィニティも、春節による実際の人の移動は1カ月近くに及ぶことから、春節期間中の死者数は1日あたり3万6000人、1カ月で100万人を超えると予測している。公衆衛生学の専門家が続ける。
「その際、専門家が懸念しているのは、未知の変異株の出現です。中国で全人口を巻き込む大規模な感染爆発が起きた場合、とりわけ免疫不全などの疾患を抱える人々の間で感染が拡大した場合、強毒株も含めた変異株出現の可能性は一気に高まってきます。中国当局による適切な対策と情報公開が、切に求められるゆえんです」
習近平の大ウソが垂れ流され続ける中、未知の強毒株が世界中にバラまかれる──。日本を含めた周辺諸国はもとより、世界にとっても迷惑この上ない話である。