これは正に「確執」と言っていい。
元ロッテの愛甲猛氏が巨人の大久保博元打撃チーフコーチYouTubeチャンネル〈デーブ大久保チャンネル〉でブチまけたのは、広岡達朗氏とのゴタゴタである。
「確執っていうか、嫌われてたよ。運悪く前の年に、最終戦でロッテのファンが選ぶ人気選手の発表が、球場のビジョンであったわけよ。その時、オレが1位で、あの人さ、そういう人気のある人、嫌いじゃん。現役の時は長嶋(茂雄)さんだったりじゃないけど…」
愛甲氏の言う「あの人」とはもちろん、広岡氏のことである。広岡氏は95年と96年、ロッテGM職にあった。
愛甲氏の出場機会は95年に、46試合と激減。打率1割8分1厘と不振にあえぐ。そして翌年、中日に移籍した。
その95年は、ボビー・バレンタイン監督体制の1年目だった。愛甲氏はファーム行きを宣告され、監督室に呼び出された。愛甲氏が回想する。
「愛甲は大酒飲みで門限も破るし、若手にしめしがつかないからファームに落とすって広岡GMに言われた、とバレンタインが言うから、オレ笑っちゃったのね。そうしたらバレンタインが急に怒って『お前、何笑ってんだ!』って」
愛甲氏は通訳を通し、一滴も酒を飲まないことを伝えると、
「バレンタインがビックリして、これ本当の話だけど、テーブルに手をついて頭下げたの。『申し訳ない。聞いた話と違うから、オレはお前を守ってやれない』って…」
バレンタイン監督は就任1年目にロッテを前年の5位から2位に押し上げるも、広岡GMらとの確執が生まれ、この1年で解任された。翌年、ロッテは5位に逆戻りし、今度は広岡GMが契約を1年残してGMをクビになっている。バレンタイン監督は04年、再びロッテ監督に復帰し、09年まで指揮を執った。
(所ひで/ユーチューブライター)