テリー さっきイメージが悪くなって、と言っていたけど、純粋に人を愛して、ずっと子供を守ってきたんだから、誇っていいと思うよ。
細川 そうでしょうか。本当にありがとうございます。
テリー 育児をしている間、外の世界から、今度はもっと客観的な目でこの芸能界を見ていて、どう思いました?
細川 芸能人というのは「私生活をあらわにしないとやっていけないのかなあ」とか、いろいろと考えていましたね。
テリー ああ、みんなけっこう、プライベートをさらしているよね。
細川 そういう番組が多くて、どこまでいってしまうのだろうって感じます。あとは、芸人さんのインテリジェンスと話術に驚きます。言葉のキャッチボールの速さがすごくて、私はとてもついていけないわって。
テリー 細川ふみえに求められるものは、芸人さんとは違ったところにあると思うから、きっと大丈夫だよ(笑)。でも、何がきっかけで芸能界に復帰しようと思ったの?
細川 週刊誌に、自分の写真を撮られてしまったんです。子供を送り迎えしているところだったんですが、帽子のてっぺんから足先まで、自転車もまるごときっちり収まっている写真で、「なんて私は、緊張感がなく毎日を過ごしていたんだろう」ってビックリしてしまって。
テリー でも、それが普通ですよ。子供の送り迎えに緊張感を持って過ごしているお母さんは、そうはいないから。
細川 だけど、すっぴんで、マスクもしていないような顔で。
テリー そうか。「私はいいオッパイをしてるんだから、そっちを撮ってよ」って思ったの?
細川 そうですね(笑)。どこかでそんなふうに思ったのかもしれないですね。とにかく、子供と一緒のところは撮られたくなかったんです。「2人いっぺんに撮るんだったら、自分1人が出ていきます」と、気持ちが動いたきっかけになりました。
テリー お子さんは男の子だよね。週刊誌に撮られてしまったことは、お子さんに言ったの?
細川 はい。
テリー 「ママはトップアイドルだったのよ」って、そういうことは言って?
細川 いえ。
テリー ちなみに、細川ふみえの写真集は家に置いてあるの?
細川 いえ、そんな目立つところには。
テリー じゃあ、自分のCDは?「スキスキスー」とか「にこにこにゃんにゃん」とか。あれ、今でいうきゃりーぱみゅぱみゅが歌う歌みたいだよね。ポップの極みというか。
細川 うちの子が「ぱみゅぱみゅちゃん大好き!」って言って「つけまつける」を歌って踊るんですよ。だから私も、当時の歌の映像を見せたことはあります。
テリー ハハハハ。どんな反応でしたか?
細川 「ええー」って、びっくりしながらも喜んでくれましたね(笑)。「ママの歌もかわいいね」と。
テリー お仕事(芸能界)に戻るよって言ったら、お子さんはどんなふうに反応してくれましたか。
細川 「ママ、頑張ってね」って。「大丈夫だよ、僕がそばにいるよ」とか。
テリー 優しいお子さんだね。そういう時って細川さんは泣いちゃうの?
細川 泣きそうなんですけど、子供の前では泣けないので。
テリー そうだよね。
細川 でも、今年3月に復帰第1回目で「サンジャポ」(サンデー・ジャポン、TBS系)のロケでテリーさんとご一緒させていただいた日は、帰りのタクシーの中で泣きながら帰って、子供の顔を見たら、さらに涙が止まらなくて。
テリー どうして?
細川 実は子供の体調がすごく悪い日だったんです。日に日に悪くなっていて、ほとんど歩けなかったんですよ。
テリー そうだったんだ。
細川 今は大丈夫なんですけど、何か精神的なものがあったんじゃないかって。母親が忙しくて、子供に対して手薄になりがちな時に限って、子供ってよく熱を出したりしますよね。子供を育てながら働くのは、こういうことなんだなと。
テリー 細川さんとお子さんの距離が近すぎるっていうことはない?
細川 すごく近いです。何かお感じですか。
テリー いや、お子さんを産んだ時から「この子を守るんだ」という意識の中にずっといるじゃない。ちょっと一心同体すぎるんじゃないかと思って。
細川 そうなんです、あまりにも近くて、細かい心の機微まで、全部感じちゃうんですよね。
テリー かわいがるのもいいけど、マザコンのまま大きくなっていっちゃう可能性もあるからね。子離れ、親離れ、両方しないとな。