もう一人の「暫定女王」桐谷は、ジワジワとのし上がってきたタイプ。広告代理店スタッフが言う。
「いきなり現れた有村とは逆に、桐谷は地道に実績を積み上げてきた。ファッション誌『Seventeen』の専属モデルを務め、05年に映画『春の居場所』で女優デビュー。06年には『めざましテレビ』(フジテレビ系)内のコーナー『早耳トレンドNo.1』のレギュラーを担当しました。今年は大河ドラマ『軍師官兵衛』で、信長に反旗をひるがえした荒木村重の妻役を熱演し、女優としてもステップアップに成功。何より、12年に『NEWS ZERO』(日テレ系)に抜擢されたのが大きかった。本人の力量うんぬんより、ニュースキャスターというハクが彼女のCM価値を高めたのです。それでもまだ2000万~2500万円というお買い得感があり、売り込みやすい」
キャスター活動がCM好感度にプラスになると見ているのは、芸能ジャーナリストの佐々木博之氏も同じだ。
「『NEWS ZERO』で共演する櫻井翔の女性版というイメージです。彼はCM起用社数ランキングの男性部門で次点の9社に出演。桐谷の起用数はまだまだ伸びるでしょう。千葉の進学校からフェリス女学院に進学した才媛は、モデル時代は『ゆるカワ系』と称されていましたが、現在は『ツンデレ』タイプとして将来性大だと感じますね」
桐谷は現在公開中の映画「女子ーズ」で共演する有村とともに、一部マスコミの間で「将来の二大女優」と言われているが、CMの代表作という点では桐谷に軍配が上がる。
「確かに有村の(今年3月から放送中の)『プレナスほっともっと』はかわいいですが、この夏のサッポロビール『極ゼロ』で可憐な浴衣姿を見せた桐谷のほうが記憶に残りやすい」(小谷氏)
ただし、下戸なのにビールのCMに出演したせいか、「ビールは苦すっぱい汁」と発言したとか‥‥。とはいえ、過去にアイドル女優兼キャスターとして一世を風靡した例が見当たらないだけに、パイオニアとしての付加価値が高まりそうだ。
さて、昨年のCM女王・武井が有村と桐谷にその座を奪われたのはなぜなのか。CM制作会社プロデューサーが話す。
「契約金の高騰で、有村や桐谷の倍近くの4000万円クラスになっていることに加え、主演ドラマの視聴率がまったく伸びない点があげられる。タレントとしての価値が下がりつつあるのです。とりわけ、資生堂のCMを失ったのは大きい。化粧品CMは女性の好感度が必須条件であり、肌の白さや黒髪の艶やかさを問われます。女優のステータスの一つだけに、今後のCMオファーにも影響が及ぶでしょう」
同じ所属事務所の剛力も伸び悩んでいるが、
「事務所の戦略変更が始まり、新たにバイリンガルの河北麻友子(22)推しがスタートした」(芸能ライター)
武井、剛力のプッシュが難しい状況になっているのである。