国民的な番組のNHK朝ドラでは、重箱の隅を突つくような批判の声が寄せられることがある。あの「あまちゃん」でもそうだった。
「あまちゃん」は「三陸の夏」という設定のはずである。だが、オープニングで映る山の木は枯れている。
「あれは2012年10月から1カ月の、現地ロケの映像だったんです。半袖姿の能年に『寒くない? 大丈夫ですか』とエキストラの人が心配そうに声をかけてきたほど、寒かった。海辺だから霧が出ることも多いし、それでなくとも最高気温が30度を超える日が数日しかないという、夏が短い場所。海水温も低くて『北限の海女』と言われているほどなので、海のロケも大変でした。『北三陸は夏真っ盛りです』というナレーションが流れましたが、10月末の撮影では無理がありましたね。画面から寒さが伝わってきましたから」(NHK関係者)
もっと不自然な点もある。潜ってウニがなかなかとれない時に、組合長が夏ばっぱ(宮本信子)にサザエを差し入れたシーンだ。
「地元の漁師が『三陸ではサザエは絶対にとれません』と苦笑していたんです。サザエは太平洋側では房総あたりまで、日本海側では新潟ぐらいまでしか生息していない。これは完全なリサーチミスでしょうね」(放送関係者)
サザエはとれないが、三陸にはアワビがある。肉厚で味が濃いと評される一級品だ。ところがこれまた夏は禁漁期間であり、11月が解禁とされるため、番組としては使えなかったのだろう。
不自然な点のみならず、「あまちゃん」には驚くべきシーンもあった。
「アキ(能年玲奈)の母・春(小泉今日子)が高校を卒業してアイドルを目指し、東京に出て行ったことで、春の部屋がそっくり残っているという設定でした。当時のアイドル松田聖子や吉川晃司などのポスターが貼られているのですが、その中にチェッカーズのポスターもあるのです。小泉はかつて、チェッカーズの藤井フミヤと交際していたとされ、その後はフミヤの弟との半同棲が報じられています。このタブーを見て驚いた芸能記者は多かった」(芸能ライター)
若いスタッフは当時の事情など知らなかったのだろうが、このポスターを見て、キョンキョンは何を思ったのだろうか。