黒岩祐治氏が4選を決めた4月9日の神奈川県知事選で、白票を含む「無効票」が21万2482票にも上っていた、との驚くべき事実が判明した。
前3回の神奈川県知事選における無効票数は、2011年が14万8136票、15年が11万2307票、19年は8万8964票。つまり、今回の知事選では、前回の約2.4倍にも上る無効票が、県民による「無言の怒り」として、黒岩氏に突きつけられたことになる。
その怒りの原因が黒岩氏の不貞スキャンダルにあったこと、は言うまでもない。中でも県民の怒りに拍車をかけたのは、「週刊文春」が不貞スキャンダルとともに克明に報じた、相手女性へのハレンチ極まる「黒岩メール」だった。
この「ナマだよ~!!ニュルニュル~」「アワビにバナナをさしたやつ」などという常軌を逸した破廉恥メールについては、自民党神奈川県連会長の小泉進次郎氏も、アキレ果てていたという。
「投開票日の夜、黒岩氏の当選確実が報じられた後も、進次郎氏は選挙事務所に顔を出さなかった。これには黒岩氏もショックを受けていたようで、恒例の万歳三唱も中止された選挙事務所で、黒岩氏はガックリとうなだれていました」(自民党神奈川県連関係者)
ところが黒岩氏の選対関係者によれば、知事選の告示後に「醜聞報道の影響はさほど大きくはない」「選挙は事実上の無風状態」「4選はほぼ確実」などの情勢分析が伝えられた際、黒岩氏は周囲に次のような軽口を叩いていたというのだ。
「今回の知事選は『盛り上がりに欠ける』と言われるけど、オレのせいじゃない」
オレのせいじゃない──。不敵な笑いを浮かべつつ、冗談交じりにこう語る黒岩氏に、その場に居合わせた関係者は、さすがに苦笑を禁じえなかったという。
結局、当確後に選挙事務所での万歳三唱を中止したことも、詰めかけた報道陣を前に謝罪の言葉を述べたことも、全て「ポーズ」にすぎなかったということだ。
おそらく黒岩氏の辞書に「反省」の2文字は載っていないのだろう。