イギリスでブレイクした、とにかく明るい安村は一発屋のイメージが強いが、実はそうではない。おぎやはぎの矢作兼は、安村のことをこう評している。
「アイツ、一発屋のフリしてんだよね。ちゃんとずーっと実は活躍してるんだよ」
麒麟の川島明も、
「ピンになってすぐ売れてますからね」
として、こう明かす。
「(コンビ時代の)アームストロングもめっちゃオモロかってんけど。『とにかく明るい』って言い出して、何か吹っ切れたという。とにかく暗かった男が、とにかくしょんぼりして、人類史上最低の歯並びをしてた男が、本当、裸一貫で出直して」
安村自身もそれを認めており、次のように振り返っている。
「(コンビを解散して)2014年の4月にピンになって。2014年の年末ぐらいにはテレビに出始めていたんで、半年。今までのコンビでの14年間って何だったんだ、俺は鎖でもかけられてたのかなって…」
とはいえ、そもそもこのネタは、最初からウケていたわけではない。ピンク色の照明の中、踊り子をイメージして、
「今からゼンラに見えるよ~う。どうだ~い?」
とやっていたが、まったく受け入れられなかった。
「お客さんの目線の位置がちょうどボクの股ぐらいの高さで、お客さんも伏し目がちで笑えない状態になっちゃって…」(安村)
このネタのきっかけとなったのは、当時好きだった元AKB48・渡辺麻友の写真集の表紙だ。
何も着ていないと見えるように、水着を隠し体育座りをしている彼女を見ていて思いついた。曲をつけて動きながら、最後にこのポーズを取るというアイデアが浮かんだのだった。
(坂下ブーラン)
1969年生まれのテレビディレクター。東京都出身。専門学校卒業後、長寿バラエティー番組のADを経て、高視聴率ドキュメントバラエティーの演出を担当。そのほか深夜番組、BS番組の企画制作などなど。現在、某アイドルグループのYouTube動画を制作、視聴回数の爆発を目指して奮闘中。