多くの有名芸能人が住んでいることで知られ、あこがれの地域として挙げられる東京都世田谷区。そんな世田谷区の小田急線梅ヶ丘駅近くの裏路地に、ひっそりたたずむ開運スポットがある。「洋服の並木」だ。
およそ40年前に、オーダーメイドの仕立て店として創業。「東京カワイイ☆TV」(NHK)で取り上げられたこともある老舗店だ。
60年代のイギリスの音楽とファッションに明け暮れた若者たちが、3つボタンのスーツを「モッズファッション」と呼んで大流行させたことで、並木もモッズスーツをカスタム。独自による研究を重ねて「並木のモッズスーツ」を開発したことで、人気に火がついた。
インターネットがない時代、並木のモッズスーツは口コミで広がった。噂が噂を生み、顧客はセレブリティーな一般客のみならず、アーティスト、エンターテイナー、芸人といった有名人にも拡大。公表されているだけでも、ミッシェル・ガン・エレファントやDREAMS COME TRUE、東京スカパラダイスオーケストラ、が~まるちょば、氣志團、スクービードゥー、浜野謙太ほか、愛好者は多い。
お笑い芸人の間では「並木のスーツを着ると売れる」というジンクスが広まった。サンドウィッチマン、ナイツ、U字工事、狩野英孝ほか、関東の「非吉本勢」が目立つ。さらに、狩野以外は所属事務所と浅草漫才協会に籍を置き、今なお地方営業で日本中を飛び回っているという共通項もある。
「サンドウィッチマンは07年に『M-1グランプリ』で優勝したのを機に、オーダーしたそうです。その後の活躍は周知の通りで、いまだ好感度芸人の名を欲しいままにしています。その影響で、仲間芸人が続々と注文していって広がりました。ナイツの塙宣之は漫才協会の副会長、土屋伸之は常任理事、U字工事の益子卓郎は理事に昇格。関東芸人の間では『神スーツ』と呼ばれています」(エンタメ誌ライター)
狩野は登録者数159万人を超えた大人気YouTubeチャンネル「狩野英孝【公式チャンネル】EIKO!GO!!」の影響で、ネットの世界では異常な人気を誇る。ツイッターのフォロワー数は110万人となり、ゲーム実況の大人気YouTuberにもなっている。
「並木のスーツを着ると売れる」ジンクスは今後、ますます広がっていくのだろう。
(北村ともこ)